資格取得後のフォローアップとは・・・

来年度(2025年度)は、ITコーディネータ制度ができて25周年になります。

2001年、当時の通商産業省(現経済産業省)内の産業構造審議会の答申を受け、中小企業の効率的IT投資を支援する人材としてITコーディネータ(ITC)が誕生しました。ケース研修を受講し、ITC試験に合格すればITCの資格を取得できます。

しかし資格は永遠に継続できるわけではなく、資格取得後、継続学習によるポイント(現在10P)を取得し、毎年資格更新が必要になります。ITC制度は、これまでにない資格制度としてスタートしました。

ケース研修インストラクターとして

2001年にITC試験に合格し、翌年ケース研修を受けITCの認定を受けた私にとって、ITCという資格は人生に大きな影響を及ぼし、またこの資格によって育てられたという思いを持っています。

2009年からは大阪でケース研修のインストラクターを開始し、2012年度は福井と金沢、2013年度からは金沢に開催地を絞り、今も継続しています。2012年以降、多くの方が私のケース研修を受けてITCになりました。主に石川県、福井県、富山県、オンライン研修が始まってからは、東京都、北海道、大阪府の方もいます。

これらの方が「取って良かったITC」としてITC資格をコンサルタントとして、また企業内で活かして活動していることを願っています。しかしそう願いながらも一方では、何らかの理由で資格を放棄したり、どのようにビジネスや企業内で活かしたら良いのだろうか、と思い悩んでいる方がいることも推察できます。

資格とは?

難易度の高い国家資格、中小企業診断士の資格取得者が自嘲気味に言った言葉があります。

「足の裏に付いた米粒は、気になって取るが、汚くて食えない」。ケース研修終了後にインストラクターから受講生に向けての挨拶のなかで、この言葉の意味を話しします。その心は?資格も足の裏の米粒と同じ、気になるから取ったが食えない。ではどうしたらITC資格取得後、食っていけるようになるのか。資格取得後、日々、努力することしか方法はないと。

真のフォローアップを目指して

ITCの認定を受けてから3年度間に、フォローアップ研修を3日間受講することが資格更新に必須となっています。この研修は、ケース研修で学べなかった知識や体験の場の補足を目的としていますが、私が金沢で毎年実施しているフォローアップ研修には、別の目的があります。ITCになってその後、資格を活かしてコンサルタントとして、また企業内で活動できていますか、をフォローアップすることです。そのため研修の後半では、受講生同士のフリートーク座談会を設定しています。座談会をとおして、自分が補強すべきスキルや他の受講生の経験を共有できるからです。

先日(8月3日)「ケース研修で学んだことを中小企業支援に活かす~ITC資格取得後の振り返り研修~」というテーマで実施したフォローアップ研修には、北海道、大阪からも含め12名のITCが受講しました。その後の懇親会も含め、大変有意義だったとの声が多く、喜んでいるところです。

ケース研修のインストラクターは教えるだけでなく、自らフォローアップ研修も行い、受講生がITCになった後の知識の補強だけでなく、「今、仕事できている?」と声掛け、自分自身の経験知でフォローアップすることはミッションだと思っています。今後も「取って良かったITC」と思えるように、ケース研修の受講生をフォローアップしていくつもりです。