認知の仕組みから「言った、聞いてない」を考える・・・

 6月末のITコーディネータ協会の総会にて承認され、2年間の協会理事・副会長を退任しました。これまで、ほぼ毎週東京と福井を往復し、協会の仕事と週末は地元(福井県・石川県)の仕事をする忙しい日々でした。このような私の日々のスケジュールを家内に伝えるとき、時折、「言った、聞いてない」で喧嘩になります。自分では確信を持って(そう思っているのかも知れない?)言っていることが、なぜ、相手は聞かなかったと言うのだろうか。会話時は録音をして、相手に再生して聞かせたいと思ったこともありました。

 

スキーマーによって大きく影響を受ける認知の仕方

 このようなことがあり、『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?』(今井むつみ著)を日経の広告で見つけ、読んでみました。なぜ家内との「言った、聞いてない」で喧嘩になるのか、理解できたような気がします。心理学でいう認知(ものごとを見たり、聞いたり、判断する)の仕方が異なるからのようです。認知の仕方は、人それぞれが持つ、認知心理学で使われるスキーマーによって大きく影響を受けるそうです。

 

スキーマーとは

 この著書で重要なキーワードとなっている認知心理学で使われるスキーマーについて、著者はこのように書いています。「私たちの思考には、意識されずに使われる枠組み(スキーマー)がある。知識や思考の枠組みがお互いにまったく同じであれば、話した内容はすんなりと理解されるかもしれませんが、現実にはそんなことはめったに起こりません。なぜならば一人ひとりの学びや経験、育ってきた環境は違いますし、仮にまったく同じ環境で育ち経験をしたとしても、それぞれの興味関心が異なれば、形成される枠組みが変わってしまうからです」

 

スキーマーの違いによるコミュニケーション・ギャップ

 人はみな、人それぞれ自分のスキーマーで認知(ものごとを見たり、聞いたり、判断する)しています。私には私のスキーマーがあり、家内には彼女なりのスキーマーがあります。認知の仕方が違うから、「言った、聞いてない」とか「どうしてこんなことが分からないのか」など、コミュニケーション・ギャップが起こります。そして彼女は若い時はそうでなかったのに、と思ってしまいます。これは、歳を重ねてくると若いときのスキーマーと大きく変わってくる、という理解が足りないからです。

 

デジタルの活用

 ではお互いのスキーマーにより起こりうる「言った、聞いてない」を少なくする方法はないのだろうか。家内にとって「私の夕食いる、いらない」は大きな関心事です。今、デジタルの力を借りてこんなことを始めました。私の日々の予定を口頭で家内に伝えるのではなく、Googleカレンダーに入力した予定を、キッチン近くに置いてあるタブレットで家内が確認するようにしました。アナログ人間の彼女は、Googleカレンダーの私の予定を壁掛けカレンダーに転記して再確認しているようです。転記ミスがないことを望みながら、これで不毛の「「言った、聞いてない」が少なくなれば幸いです。

 

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コメント: 2
  • #1

    グレママ石井 (火曜日, 23 7月 2024 15:04)

    お疲れ様です。我が家は冷蔵庫に張り付けたホワイトボードが大活躍です。
    冷蔵庫内の使っていい材料、使っては困る材料等々でっかくボードに手書きしてます(笑)

  • #2

    横屋俊一 (木曜日, 25 7月 2024 11:23)

    コメント、有難うございます。
    アナログでも、「言った、聞いてない」など情報を確実に伝える方法はありますね。