普段やっている経営がDXだ!

昨年から、DXやデジタル化をテーマとしたセミナーを数多く実施してきました。先日のセミナーは、紙書類のデジタルデータ化と情報共有を実現する、デジタル化の第1ステージ「小さなデジタル化」についてでした。

 

経営とDXについて。DXとデジタル化は、どこが違うのか。DXとデジタル化の関係性はどうなのか。整理したいと思います。

DXの定義の図解

まずDXという言葉の意味については、

経済産業省のDXレポートで示された定義どおりの理解が広まったようです。

しかしDXを自分事として捉えたとき、中小企業経営者の理解はどうなんでしょうか。

 「自社にDX導入が必要なのか、わからない」

 「デジタル化は各部署でやっているよ。これがDXじゃないのか」

 「今のところ企業業績は順調だし、変えることは何もないよ」。

このような声を聞くことがあります。

まだまだDXの本質、目的の理解からは遠い感じで、DXという言葉だけが一人歩きしている状況です。

経営とは、環境や顧客の変化を見据えて、常に顧客を見定め、

提供すべき顧客価値(商品やサービス)を問い直す営みです。

その意味で、DXは経営そのものであり、企業業績の向上を目的として行うものです。

そうだとすれば、DXを正しき理解して、経営のどこにデジタル技術を活用すべきかを考え、企業業績を向上したいですよね。

DXとデジタル化の関係性

次にDXとデジタル化との関係についてです。

結論から言えば、デジタル化はDX実現の第一歩です。

ステージ1段階の「小さなデジタル化」によって紙種類のデジタルデータ化と情報共有を進め、

ステージ2のデジタル化で会社の部署・部門で業務効率化のためのデジタル化を行う。

そしてステージ3においては、全社的な見える化を実現して全体最適のデジタル化へと進化させる。

各ステージのデジタル化の目的を明確にして、

最終的には環境や顧客の変化に対応できる、足腰の強い企業体質に変容する。

これによってDXが実現したと言えます。

ステージ3の先にしかDXは実現しないわけでもなく、

各ステージにおいても小さなDX、たとえばステージ1における小さなデジタル化においては、

この段階から経営者が関与することによって経営者の意識の改革が可能となります。

またステージ2のデジタル化では、部門における業務プロセスの変革が、

ステージ3の段階では組織や風土の改革が可能となります。

 

DXのこんな理解もあり

 

自分の会社をこんな会社にしたいと真剣に思い、

顧客目線を大切にしてユニークな商品・サービスを提供している経営者。

現場のことや仕事のやり方について熟知し、常に現状を変えることに前向きな経営者。

デジタル技術に詳しくなくても、「あのデジタル技術がここに使えるかも」と考え、

自社にデジタル技術のわかる社員がいなくても、専門家に相談してやるべきことを実現する経営者。

昔私が製造業に在籍していたときの社長は、このような経営者像に近い方でした。

その方は、DXを知らなくても、いや知っていても

「DXなんて知らんが、普段やっていることがDXだ!」と言うでしょう。

自信を持って言う顔が思い浮かびます。DXとは、こんな理解もありですね。