同期生のML

39会という同期会があります。昭和39年に高校を卒業し、75歳になった今も活発に活動しています。

39会には百数十名の同期生がメンバーとなっているML(メーリングリスト)があり、

メンバーの多くがメールを読むだけのROM(リード・オンリー・メンバー)ですが、

今コロナ禍の中、自宅のパソコンの前に座っている時間が長いせいか、

次々とテーマを変えながらアクティブなメンバー間でメールのやり取りが続いています。

少し前までは、コロナ談義でした。

このコロナ談義が収束した頃に私も遅ればせながら、下記のメールでMLに参戦しました。

(長いブログになりますが、お付き合いください)

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コロナ論議も収束の感がありますが、

今さらですが新型コロナウイルスについては、

下記サイトの情報は充実していますよ。

 

最近オンライン診療が解禁され、実施している医療機関も増えているようです。

自分の近くにはあるのかどうか、

上記した都道府県別新型コロナウイルス感染症患者数マップで検索も出来ます。

 

参考までに

 

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参戦したメールに、同期生のS君とF君からこんなメールが返ってきました。

S君より

「それにつけても、FAX・電卓・手書きによる感染者情報集計のやり方や、

10万円オンライン申請の混乱など、日本の行政システム電子化の遅れが

目に余りますね。これは氷山の一角、行政システム全般について、同様な問題が

あるのだろうと思います。今回の問題を契機に、抜本的な見直し・改革が図られる

ことを期待したいですね。システム専門家の横屋さん、どう考えますか?」

 

F君より

「日本の行政システム電子化の遅れは、全く同感です。

老練ITCマン横屋さんのご見解を是非お伺いしたいものです。

特に、手間暇かけなくとも、少々の法規制の調整と投資で、既存のシステム

・サービスを流用活用する事で、台湾・韓国で活用したITC技術・システム以上

の日本ならではのユニークな電子化・システム化が出来るのでは? 新規・

特需市場として、日本のICT業界の活性化にも多いに貢献する筈と、鯖読み

しているのですが?」

 

これらのメールに対し、私からは

「日本の行政システム電子化の遅れについて言えば、

今般の特定給付金のシステムは、普通に要求仕様を作り要件定義をしていれば、

何回も入力を許すなどの幼稚なミスを防げたはずです。

この普通なことが出来ないのが、国のシステムだと思います。

 

一般的にシステムの良し悪しに関係する大きな要因は「人」の問題です。

人の問題には、いろいろあります。

  • システムを設計製造する人のスキルや資質
  • 行政のシステムに限っては、システムに影響力のある人のネガティブな意識

個人情報がとか、セキュリティがとか、地方自治が云々とか

人のネガティブな意識の背景には、法規制があるのだろうと推測します。

穿った見方をすれば、法規制を盾に、

新しいものや自分が分からないシステムについては、チャレンジしたくない

関わりたくないという心理が働くのかも知れません。

 

要は、万全なコロナ対策のシステムを作った韓国のように、

国家レベルの情報システムを作り上げるのだと言う「覚悟」が薄いということです。

まずは法規制の見直しを行い、

民間で大きな実績を上げている優秀なCIOを特任で行政が採用し、

かなりの裁量権を与えれば、

日本も生産性の高い、ユーザの使い勝手のあるシステムが作れると信じています」と。

 

これに対してS君から

「民間の企業・組織でIT化の取り組みが始まって久しくなりますが、当初は

企業内の各部署によって取組にかなりの差があり、遅れている部署ほど、

業務多忙でITに人材を避けないとか、

費用対効果がみえないとか、いろいろな言い訳をしていたことが思いだされます。

 

私の経験だと、組織のトップの認識・理解がIT化推進のカギを握っており、

トップが率先して、必要な人材と予算を投入して旗振りをする必要があると

思います。一端、IT化が進みだすと業務効率があがってよくなるので、

システムを利用する人の理解と協力が得られるようになり、ますます

IT化が加速するようになると感じています」。


さらに地方自治体のIT化について続きます。

私から

「先のメールで国のシステム化の問題について、意見交換しましたが、

今回は地方自治体のIT化についてですが、再度、お付き合いください。

「地方公共団体の官民データ活用推進計画」の調査データと

「47都道府県のテレワーク実施」の調査データをもとに、

私たちに身近な地方自治体(都道府県)のIT化計画の実態について紹介します。

(私の場合は福井県)

 

私たちが受ける行政サービスは、

この官民データ活用推進計画の推進度に影響を受けます。

関心を持ちたいものです。

 

我が福井県は残念ながら、遅れているようです。

同じような行政規模(人口など)の山形県はIT化先進県です。

既に2年前から庁内ではテレワークを取り入れ、

テレワークを民間に求める前に「隗より始めよ」を実践しています。

コロナ禍の中、緊急対策としてだけのテレワーク実施はコロナが収束すると

元の木阿弥になる可能性があります。

モータリゼーションが発達して3密の公共交通機関で通勤する人の少ない地域でも

あえてテレワークを実施した経験は、withコロナの時代でも業務の生産性向上に

活かされるのではと思います。

テレワークのもう一つの側面として、時間と場所を自由に選べることがあります。

住みたい地域で好きな時間に仕事が出来るということです。

その意味でも福井県はIT化を推進し、テレワーク環境も整備して、人口流入を

図って欲しいですね。

 

なぜ取組が遅れているのかというアンケート結果は、

  • 官民データ利活用の施策として何をすればよいかが分からない
  • 庁内・外に技術的な知見のある人がいない
  • 仮に人材が存在していても、取り組もうとする施策の費用対効果が出ない

予想通り、人的リソースが壁になっているようです。

民間の優秀なCIO又はITコーディネータを福井県のCIO補佐官としてUターンでもIターンでも、

引っ張ってくる必要がありますね」。

 

F君からは 

「我が居住地の和泉市の市役所でも、未だに、個人個人でのメールの遣り取りすら

出来ていないみたいで、IT化は相当遅れていますね!

保健所と厚労省間通信をファックで行っているなんて、地方自治体のみならず、中央

政府機関も、和泉市並にIT化は、遅れているのでしょうかね?

因みに、銀行勤めの東京の息子に聞いてみたら、現在、営業部門関係者を除き、内勤

部門スタッフのほぼ全員テレワーク率100%で、何の問題も無く、出勤ベースより、効率

的に業務遂行出来ていると。 

勿論、銀行のトップや上級役員が予て、テレワーク推進派で、コロナ禍到来前から、

テレワーク体制が構築できていたお陰との説明でした。

お堅い銀行で、高度なセキュリティ対策が必要な勘定系システムと、テレワークを可能

とする情報系システムや対外系システムとの完全な切り離し運営が必要な銀行業務

が、テレワーク化されるとは。。。。

武漢コロナ禍が過ぎた後は、世の中、大変革が来る予感がしますね。。。!」。

 

 

ML上でのこんなメールのやり取りを見ていたROMの一人であるM君

(県の某経済団体のトップ)から私に電話がありました。

「明日、県知事とのWeb会議で新型コロナウイルス感染症に関する経済団体との

意見交換会があるので、意見交換の最後に、県にCIO補佐官を設置するよう提案するよ」と。

MLを見ていると、同期メンバーの博識には、あらためて感服します。

人生の経験知や博識を持った同期生の存在は、ありがたいものです。