巣ごもり族

コロナ禍の中、自宅で「巣ごもり」状態になっている方が多いのではないでしょうか。

そのためか、パソコンの前に居る時間が長く、ネットでの情報発信が増えているような気がします。

高校の同期会メーリングリストでも毎日のようにコロナ関連の情報が飛び交っています。

現在メディアが大きく取り上げ、ネットでは反対のネットデモの様相を呈しているのは、

今国会での検察法改正案の提出です。

新型コロナウイルス対策を審議している最中の提出は、火事場泥棒的とも言われています。

パソコンの前に居る「巣ごもり」族の一人として、

情報発信に関わる興味深い2つのキーワードと投稿について、

いづれもネットからの情報の引用ですが、紹介したいと思います。

 

沈黙の螺旋

一つ目は、政治・社会学者E.ノエル.ノイマンの「沈黙の螺旋」についてです。

(引用元は九州大学付属図書館 松岡智文氏)

「沈黙の螺旋仮説」として松岡氏は次のように解説しています。

人間は社会的な存在であり、社会で孤立することを恐れるため、

周囲の環境や社会の動向を観察し、

そこから孤立することを避けようとすることが前提となっています。

これにより、世論形成の過程において、以下のような事態が起こると仮定されました。

人々は周囲の意見や社会の動向を観察し、

自らの意見が多数派であると思われる場合はそれを公表するが、

少数派であると思われる場合は社会的な孤立を恐れて沈黙することを選ぶ。

多数派とみなす意見は声高に話され、少数派とみなす意見は沈黙し続けるという循環が起き、

多数派の意見は社会において大きく顕在化し、

少数派の意見は小さく見積もられるという世論が形成される。 

 

ポスト・トゥルース

二つ目はポスト・トゥルースです(引用元は知恵蔵)。

世論形成において、客観的な事実より、

虚偽であっても個人の感情に訴えるものの方が強い影響力を持つこと。

受け入れがたい真実よりも個人の信念に合う虚偽が選択される状況をいう。

英国のEU離脱や米国大統領選でのトランプ勝利など、事前の予想を大きく覆す出来事が相次いだ。

これらの投票において、大手メディアが発信した事実を基にしたニュースよりも、

事実誤認や裏付けのない情報を基にしたフェイクニュースの方が多くの人の感情を揺るがし、

投票行動を大きく左右した。

フェイクニュースが増えた背景には、既存のメディアに対する信頼度が低下していること、

SNSの普及で簡単かつ急速に情報が拡散しやすい状況になったことなどが挙げられる。 

 

的外れな批判

最後に検察法改正案の提出についての「抗議の歌手らに的外れな批判も」と題した投稿です。

(引用元 金井啓子近畿大学教授)

ツイッターで「#検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグが広まっている。

私が気になるのは法改正そのものではない。

ツイッターで「#検察庁法改正案に抗議します」と反対の姿勢を明確に打ち出した

俳優や人気アーティスト、芸能人に対する的外れな批判が多すぎることである。

その後は書き込みを消去。

ファンの間で賛否両論がわき起こり、ファン同士がけんかすることを恐れてのことだという。

彼女に限らず、法改正に抗議した俳優やアーティストらへの“口撃”もツイッターで数多く見られた。

中には政治評論家からの批判もあり、

「政治を知らないくせに」「歌手は歌うだけでいい」といった相手をバカにしたものが目立った。

 

私たちはどうすれば・・・

二つの世論形成のプロセスを知ると、

私たちは大手メディアやSNSから発せられる情報に行動や感情が左右されていることに気づきます。

情報を適切に選択する選択眼を持ち、

常識ある情報発信を心掛ける必要性をあらためて感じます。