新型コロナウイルスの感染が広まる前、
商工会議所でのセミナーに出講していたときの話しです。
「会社に簿記のわかる社員がいなくても簡単に会計記帳が出来るクラウド会計サービスがあります。これを使って自計化しましょう」。
セミナーでこのように話しをするとき、
必ず「自計化はなぜ必要なのでしょうか」と受講者の方に質問もします。
自計化
企業が日々の取引を定められたルールに従い会計記帳し、年度末に決算を行って、納税をする。
これは企業に義務付けられていることです。
受講者である経営指導員の方に自計化している小規模事業者はどのくらいいますかと聞くと、
ほとんどの事業者は会計事務所や商工会議・商工会に記帳を代行してもらっていると。
会計記帳には簿記の知識を必要とするため、自分でできない、やろうとしないということでした。
ところが最近は、
Freeeとかマネーフォワードというクラウド会計サービスを使って自分で会計記帳をする
事業者が少しづつであるが増えているとも言っていました。
なぜならば、これらのクラウド会計サービスには、
簿記の経験のない人でも簡単に会計記帳ができるよう、
自動仕分けや取引情報の自動取得という便利な機能が備わっているからです。
茹でガエル理論
話しは大きく変わりますが、「茹でガエル理論」についてです。
カエルを熱いお湯の中に入れると、身の危険を感じて飛び出して逃げようとします。
しかし水から徐々に温度を上げていくと、水温の変化に気ずかず、気分よく過ごしているうちに、
逃げ出すタイミングを失い、やがて茹で上がって死んでしまうというものです。
少しづつ変わる変化に注視
自計化がなぜ必要なのかを「茹でガエル理論」との関係で言えば、
日々の取引を自分で会計記帳することによって会社の変化に気づき、
致命傷を負う(「茹でガエル」状態)前に打ち手を考えることが出来るからです。
「茹でガエル理論」は、ゆっくりと進む環境変化や危機に対して、
対応することの難しさや大切さを説く言葉として使用されます。
世の中、政治・経済や企業組織、団体の運営において、
この茹でガエルのたとえ話に似た現象が起きているような気がします。
慣れや慣習を逆手にとって、あるべき姿が少しずづ気づかれずに変えられようとしています。
適温状態だったと思っていたのが、ある日突然身の危険を感じるほどの温度になっていた。
こんなことにならないよう、注意深く、世の中の変化に注視していきたいものです。
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