サードプレースという言葉があります。
日本語に直訳すれば、第3の場所です。
第1の場は自宅、第2の場を職場とすれば、第3の場所とはどこなんでしょう。
それは、アメリカの学者レイ・オルデンバーグが自身の著書内でサードプレイスとして提唱した、とびきり居心地の良い場所を言うようです。
鳥取県立図書館
中小企業経営者は景気が良いときも悪い時も、いろいろな問題を抱え、課題に取り組んでいます。
「売上が落ちている。顧客を開拓したい」
「今の事業は今後縮小していく。新事業を始めたい」
「後継者がいない。事業承継を助けて欲しい」などなど。
こんな課題解決に頭を悩ませながら、中小企業経営者が自宅でもない、職場でもない、
第3の場所を確保して自ら解を求めて行く場所があります。
今から6年ほど前、鳥取県の支援センターからセミナーの依頼がありました。
場所は、県の図書館です。
図書館は一人で静かに読書する場所だと思っていた私にとって、
その場所で活発に中小企業のビジネス支援を行っていたことが大きな驚きでした。
図書館の司書の方に聞くと、
鳥取県立図書館はビジネス支援も行う図書館として多くの都道府県立図書館が注目するようになり、
見学に来るとのこと。
困ったら図書館
先日の日経新聞には「困ったら図書館」というタイトルで、
鳥取県の図書館のような場所をサードプレイスとして利用する経営者やビジネスパーソンが多くなっている
という記事が掲載されていました。
その背景としては、
昨今の中小企業を取り巻く経営環境は大きく変化し、
中小企業にとっての取引先である大企業は系列取引を維持するよりも、
幅広い連携相手を探すようになり、これまでの関係性に安穏としていられなくなってきた。
そのため経営者は自ら市場動向を調べながら、独自の商品やサービスを開発していかなければ、生き残っていけない。
そんな危機感を持って、広く情報収集に努める必要性を認識するようになり、
膨大なビジネス関係図書や資料を揃え、専門家によるビジネス支援を受けられる図書館を
サードプレースとして利用するようになってきていると。
真摯な経営者や意欲あるビジネスパースンにとってのサードプレイス(とびきり居心地の良い場所)は、
スターバックスではなく、図書館だった・・・。
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