フイジカル世界で勝負に勝つとは・・・

ビックデータ

あらゆるデータがビックデータとしてGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)に握られ、サイバー(サイバー世界)で後れをとってしまったと言われる日本。国内でも通信事業者やIT企業などによって、インターネット上で個人情報を含むデータが収集されようとしています。最近話題になっているQRコード決済サービス。ソフトバンクが100億円を使って20%を還元する「PayPay」サービスによって、100万人分の個人情報と紐づいた買物履歴情報を10日間で集めました。

 

キャッスレス決済

今注目されているキャッスレス決済、その中でもスマホによるQRコード決済には中小の小売店の方は大きな関心を持っています。先日、石川県の食肉販売店が加盟している石川県食肉商業協同組合で「キャッシュレス決済に乗り遅れないために」というテーマでお話しをしました。内容は、

  1. 2つのキャッシュレス決済
  2. モバイル型キャッスレス決済を理解する
  3. 今ブームのキャッスレス決済とは
  4. 加盟店はどんなポイントでキャッシュレス決済を選べばいいのか 

スマホQRコード決済の影

セミナーの中で、スマホによるQRコード決済の光と影について、影の部分を下記、毎日新聞への寄稿を一部引用して説明しました。

「・・・日本でもスマホ決済事業に乗り出した企業の多くが購買情報を集約してユーザーの嗜好(しこう)や信用度を測り、パートナー企業に提供するビジネスに乗り出すと表明している。中国とは政治体制が異なり、政府による監視に直結しないとしても個人情報の一種である購買履歴を利用するのなら、利用内容の説明をして社会的な合意を得てゆくプロセスを踏むべきだろう。・・・」。その他AERAにも、次のような記事が掲載されていました。「・・・事業者の目線はどちらの方式を使ったとしても、キャッシュレス比率を上げることよりスマホを使って新たなマーケティングを行うことに向いている。スマホで買い物すると、そのたびに購買情報が事業者に集まってくる。「何を」「いくらで」「どの店で」「いつ」購入したのか、といったデータが集積すると、利用者の生活パターンや趣味、嗜好なども手に取るようにわかる。店舗側だけではなく、ドコモやTポイント(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)、楽天のような共通ポイント業者にとってそれが最大の目的である。・・・」。

 

サイバー世界との連携

東芝の車谷社長がBS-TBSサンデーニュース Bizスクエア「東芝ゼロからの再出発!サイバーフィジカルでGAFAに挑む」で語っていました。「サイバー世界のデータを握った企業と連携しながら東芝が強みとするフイジカル世界(現実世界)で勝負する。サイバーのデータはフイジカルで使われてこそのデータ」。サイバー世界のデータを利用するスマホQRコード決済にも通じる話しだと思います。この決済には光と影があります。しかし、加盟店の利用者は利用者にとっての影を認識しながら、サイバー上に蓄積されたデータを上手く活用する方法を考える。私たち利用者も、影のリスクを認識した上で使ってみる。知らないから、新しいモノに触れないという後ろ向きな姿勢だけは避けたいものです。