オリガミ？　折り紙ですか・・・

小売りの現場が進化している

今、中小・小規模小売りの現場が少しづつ変わろうとしています。今後もITの力によって、ますます進化していくことは間違いないでしょう。こんなことをIT利活用セミナーでお話しすることがあります。何が変わってきたのか、変わろうとしているのでしょうか。レジでの決済です。現金決済からお金を介さない決済、キャシュレス決済へと。その背景には、次の３つの大きな経済の環境変化があります。

1. 少子高齢化により働き手が急激に減少による人出不足の深刻化
2. 2020年のオリンピック、2025年の国際万博に向けてのインバンド需要の期待
3. 世界の中で、キャッスレスに大きく遅れた日本は社会コストが大きい

オリガミペイ

北陸の某信用金庫の職員の方とお話ししていたとき、「オリガミ」という言葉を初めて聞き、恥ずかしながら、一緒、折り紙を連想したものです。そうではなく、2016年から事業開始したＱＲコード・バーコード決済「オリガミペイ」のことです。さっそくオリガミアプリをスマホにダウンロードし、アカウントを作りました。次にやることは、決済のための銀行口座やクレジットカードを登録することです。これでオリガミペイの加盟店、コンビニのローソンやロフト等でキャッシュレス決済ができます。実際に近くのロフトで試してみました。買った商品をレジに持っていき、オリガミで決済しますと店員に伝えると、買った商品とＱＲコードを表示した端末にスマホのカメラでスキャンすれば、完了です。今、信金中央金庫と北陸の各信用金庫は連携しながら、信用金庫の顧客企業に導入を進めています。これまでのクレジット決済・電子マネーと比べると、加盟店になっても決済用の端末がいらない、手数料が3.25％程度で安いなど、中小・小規模事業者にはメリットが大きいからです。他のＱＲコード決済サービスと比べても、ポイント還元ではなく、購入商品の割引があることは、利用者にとってのメリットも大きいようです。ローソンでは、クーポンを使って毎日（期間限定）コーヒーが無料で飲めます（期間限定なので、現時点ではクーポン対象がドリンクヨーグルトに代わっていますが・・・）。

賢く使おう！キャッスレス決済

キャッシュレス決済の後進国日本。2025年の国際万博までには、キャッスレス決済比率を今の18.4%から40%まで引き上げる目標を掲げています。『週刊ダイヤモンド2018年9月29日号』に、「就職や結婚にも影響する！世界のキャッシュレス事情」というタイトルで面白いコラムが掲載されています。以下、コラムの引用です。

「・・・キャッシュレス化にはどこでも使えることが大前提としつつ、さらに大事なのはキャッシュレスを使うインセンティブと現金を使うディスインセンティブの両方を整えることと話す。つまり得するだけでなく、損する状況がないと駄目なのだ。・・・米国では、キャッシュレス決済のインセンティブはカードを使い期日通りに支払うほど個人信用情報機関が提供するＦＩＣＯスコアが上がることだ。スコアは一般企業にも販売されているため、点数が低ければ良い賃貸物件が借りられなかったり、就職にも悪影響を及ぼしたりする。中国でも米国同様、15年にアリベイが始めたスコアリング事業「芝麻信用」が利用者のインセンティブになった。・・・今やお見合いサイトでも芝麻信用のスコアが表示され、低いと結婚もままならない。・・・日本では一部銀行で平日でもATM利用料を有料化する動きが出てきた。現金決済でもっと損する状況が増えれば、キャッシュレス化が進むかも知れない」。

私は時折期日を忘れて残高不足を起こしたりします。そんな私は、米国や中国などのように、返済状況をスコアスコアリングされ、利用されることは拒否したい。しかし、ATMが有料になって損することも避けたい。賢い使い方で、毎日大好きなコーヒーが無料で飲めるようにしよう！