追い風を味方につけて

二つの追い風

日本陸上競技連盟公式サイトによれば、追い風参考記録とは以下のように記述されています。短距離、跳躍系の種目は、追い風の中で競技を行えば当然のように風の力で自分本来の力よりも加速できます。そのため、記録の公平性を期すために追い風2mを超えるコンディションで出した記録は参考記録となり、正式な記録とは認められません。追い風が吹いている今こそ勝負どき。向かい風で厳しいが耐えよう! 追い風と向かい風。追い風は、有利に働くという意味でよく使われます。今、経済産業省推進資格であるITコーディネータには、二つの追い風が吹いていると感じます。一つは、国(主に経済産業省)が中小企業支援事業においてITの専門家としてITコーディネータを名指しで活用することを勧めていること。二つ目は、ITコーディネータがITSSレベル4に認定され、厚労省の「専門家実践教育訓練給付金」の対象訓練にITコーディネータになるためのケース研修が認定されそうなことです。

ITSSレベル4と専門実践教育訓練

IT産業における人材のキャリア開発、スキル開発の共通フレームワークとして、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)はITSS(ITスキルスタンダード)を公表しています。昨年12月、このITSSにITコーディネータがコンサルタントの分野で「レベル4」であるという認定を受けました。ITSSをベースにNPO法人スキル標準ユーザー協会が作成した「ITSSキャリアフレームワークと認定試験・資格とのマップ」(添付資料)には、レベル4にITコーディネータが追加されています。レベル4とは? 他の情報処理技術者と比較してみると高度情報処理技術者と同じレベルであり、高いレベルであると言えます。コンサルタント分野において、スキルの専門分野が確立し、自らのスキルを活用することによって、独力で業務上の課題の発見と解決をリードすることができると認定されたということでしょうか。

 

平成30年1月から給付率が引上げがされた厚労省の「専門家実践教育訓練給付金」。対象訓練の一つに「第四次産業革命スキル習得講座」があります。要件は、高度IT分野等、将来の成長が強く見込まれ、雇用創出に貢献する分野に関する社会人向けの専門的・実践的な教育訓練講座(ITスキル標準レベル4相当以上)ということです。この訓練に認定されると、受講者の受講費用の1/2が助成されます。ITコーディネータ協会は、ITコーディネータ認定用ケース研修を専門家実践教育訓練給付金対象訓練として申請しています。ケース研修がITSSレベル4に認定されたことにより、ほぼ対象訓練に認定されるのは間違いないでしょう。認定されれば、これまでのケース研修受講料20万円が半額の10万円になり、ITコーディネータ資格取得の金額面での壁が低くなることになります。

国の中小企業支援事業

先週、経済産業省が石川県地場産業振興センターで開催した「コネクテッド・インダストリーズ税制(IoT投資減税)」の説明会。IoT投資減税の内容は、一定のサイバーセキュリティ対策が講じられたデータ連携・利活用により、生産性を向上させる取組について、必要となるシステムや、センサー・ロボット等IoT、AI関連の設備投資に対し、税を優遇する措置です。5,000万円以上の投資が対象で、税制措置は初年度30%の一括償却又は5%の税額控除です。この税制を適用をうけるためには、まず革新的データ産業活用計画の認定申請を行い、認定を受ける必要があります。この申請書には、データの安全管理を記載する箇所があり、内容を確認してもらうことが必須になっていて、これを確認するのが登録セキスペ(情報処理安全確保支援士)、中小企業においてはITコーディネータです。その他、平成29年度の補正予算では約5,00億円規模でいわゆるIT導入補助金、1,000億円規模でものづくり補助金事業が計上され、現在、事業にはITの専門家として多くのITコーディネータが支援者、相談員、セミナー講師として活動している状況です。まさに国の事業の追い風を受け、バイネームでITコーディネータが指名されています。

踏み出した勇気に拍手 

あたらめて、取らないと気になるが取っても足の裏についていたものは食えない「資格は足の裏についた米粒」について考えてみたいと思います。士業資格には、弁護士や行政書士、司法書士、税理士、社会保険労務士などがありますが、これらの資格には有資格者しか行うことができない一定の独占業務があります。同じ士業資格でも中小企業診断士は、国が国家資格として認めた唯一の経営コンサルタントですが、世の中には、中小企業診断士試験に合格をしていなくても経営コンサルタントと名乗っている方が数多くいます。経営コンサルタントは、中小企業診断士しか出来ないと言うわけではないからです。資格を持たない経営コンサルタントが、中小企業診断士だと名乗ってコンサルティングを行う事はできません。このような資格は、名称独占資格と呼ばれています。しかし今は、このような士業資格でも資格を取得しただけで、将来にわたり食っていくのは厳しい時代です。ましてや、国家資格ではないITコーディネータには独占業務もなく、認知度も高くないため、この資格だけで独立開業する不安は大きいのが現実でしょう。しかし私の周りには、このような資格環境を感じさせなく頑張っている多くのITコーディネータがいます。そんなITコーディネータを目指して半歩踏み出す勇気を与えてくれるのは、今吹いている追い風かも知れません。追い風を味方として地道に実践力を蓄積していけば、取ってよかったITコーディネータ資格を実感できる日が来ると信じています。昨日から、ITコーディネータを目指す人たちに中小企業のIT経営を支援するバイブル「IT経営推進プロセスガイドライン」を研修で教えています。踏み出した受講生の勇気に拍手をし、熱い私の思いを伝えていきます!

 

 

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コメント: 1
  • #1

    通りすがりのMBAホルダー (水曜日, 20 2月 2019 23:29)

    字がみっちりで読みにくい〜
    表も字がちっさくて読みにくい〜

    改行、小見出し、下線、色使い・・・
    工夫しないとクライアントに伝わらないし、そもそも読んでもらえませんよ〜