IT経営の素晴らしいモデル企業

中小企業3社

先週、石川県内の中小企業3社の経営者にお会いする機会がありました。ともに素晴らしい企業です。1社は今年の「中部IT経営力大賞奨励賞」を受賞したS社。2社目は、2016年「攻めのIT経営中小企業百選」に認定されたK社。そして3社目は会宝産業さんです。S社とK社は私がアオードの応募申請を支援させてもらいましたので、事業内容のどこが素晴らしいのか認識していましたが、先週、あらためて工場見学をさせてもらい、素晴らしさを再認識しました。会宝産業さんは、経営方針説明会とその後の懇親会に出席し、あらたな刺激を受けました。どこが、何が素晴らしいのか?

 

全社員参加の経営

S社、K社はともに社内システムを整備し、全社員参加の現場改革やデータを活用した経営状況の共有を目指した取り組みを行っています。小集団活動による自主的な改善活動を促進するため、社員のモチベーション向上には、経営者の知恵と工夫を感じ取ることができます。2社とも先代の社長の後継者が外部(田辺経営、稲盛塾)から経営の在り方を学び、自分のやり方で真摯に経営に向き合っている姿は、素晴らしいものがあります。 

 

心動かすメッセージ

3社目の会宝産業さん。15年ほど前にシステム導入の支援をさせてもらい、それから長いお付き合いです。現在は近藤会長から息子さんの高行社長に世代交代していますが、近藤会長のリーダーシップは受け継がれているようです。リーダーシップの根源は、発信される言葉であり、込められたメッセージにあるように思います。いくつか紹介します。これらの言葉には、社員の心に響く大きな力を感じます。

「静脈産業のリーダーとなる」

  • ものを製造する動脈産業、作ったものを循環させる静脈産業、会宝産業は、静脈産業のパイオニアとして、地球環境や社会に貢献することを目指しています。

「利他の精神で経営」

  • それは人のためになるか?を考えて行動すればぶれることはありません。人の喜びを自分の喜びとし、人を喜ばす仕事をします。

「船(業界)の舳先になる」

  • 船首の先端部を舳先と言います。この部分は、船が水を切り前に進むとき、水面には波が立つため、最も抵抗を受けるところ。業界のため自社のため、あえて最も抵抗を受ける船の舳先となって市場を切り開いていきます。

IT経営のバランスとは

ITコーディネータはITを経営の力として活かす経営「IT経営」を支援しています。そのためには、経営者とともに対話を重ね、企業の課題を解決しなけらばなりません。課題解決には、ITの利活用だけでなく、業務プロセス、業務ルール、組織・人についてもをあらたなバランスのとれた仕組みに変革する必要があります。3社を検証すると、これらが上手くバランスとれていて、かつトップのリーダーシップが発揮されています。IT経営とは、まさしくこのような経営をするという素晴らしいモデルです。