ケース研修(IT資源調達画)で学べること③

IT戦略企画書の経営者へのプレゼンを行い、承認を得て、次のステップであるIT資源調達に進みます。

IT資源調達の3つの原則

公平中立な立場で経営者を支援するITCは、RFP(提案依頼書)によるIT資源調達のプロセスは最も期待されるところです。ITC-PGLではIT資源調達はRFPによるとしています。RFPによるIT資源調達の拠ってたつ原則は、下記のとおりです。

  1. IT資源調達は評価基準を持って選ぶ(評価基準による選定の原則)全てのIT資源調達は、あらかじめ定めた的確な評価基準によって評価、選定する。
  2. IT資源調達は公平性をもって選ぶ(調達公平性確保の原則)IT資源調達は、公平な立場で、公正、オープン、透明性を確保して実施する。
  3. IT資源調達は総合的な視点で選ぶ(最適IT資源調達の原則)技術調査、自社の現状、移行性や実現性、導入効果とリスクなどの視点で総合的に評価し、最適なIT資源を調達する。

要求仕様書からRFPの作成

IT戦略企画書で明らかになった調達要件をもとに、RFPを作成し、システムの提案をしてもらいたいITベンダーに発行します。RFPの核となる調達要件定義書は、通常、要求仕様書としてユーザ企業がまとめます。ITCはユーザ企業が認識していること、まだ認識できていない要求事項を引き出し、要求仕様書としてドキュメント化することを支援します。

ここで留意しなければならないことは、システムのユーザから上がってくるシステム上の要求事項(システムの操作性、入力画面、出力物など)をすべて要求事項としてはならない、ということです。上位の目的に(仕組み、業務、経営)に合致したものかどうかを検討し、取捨・選択しなければいけません。

評価基準書の作成は必須

ITベンダーから提案を受け、評価基準書にもとづいて選定評価をし、委託するベンダーを決定します。評価基準書の評価項目には、ユーザ企業が何を重視するかによって重み付を行います。調達公平性の原則にのっとり、評価基準を事前に公表したり、公表はしない場合には、ITベンダー決定後の委託されなかったITベンダーからの問い合わせには、その理由を真摯に回答する必要があります。その後は契約を行い、IT導入計画を作成し、IT導入を実施します。

 

(次回は、IT導入について)