「ジジイ」にはならないようにしよう!

シニア起業のススメ

「シニア起業のススメ」。明日開催される福井県立図書館でのセミナーです。セミナーでは、私の創業体験談を中心に、以下のような内容をお話しする予定です。創業までは決して格好よくない、むしろ格好悪い体験談ですが、今日までを振り返えると、人生のつじつまが合っていて、創業してよかったという思いをお伝えるするつもりです。

・私にとってシニア創業とは?

 -いつまでも現役で・・・

 -創業のきっかけ

 -創業時の苦労と楽しみ

 -事業に必要なものは?

 -人とのご縁

・シニア起業を勧めたい理由

 -シニア起業で社会とつながる

 -長い第二の人生を生き生き出来るシニア起業

・シニアらしい起業とは?

 -無理のない起業

 -経験と人脈を活かす起業

 -社会に関わる事業

 

他人を馬鹿にしたがる男たち

ジジイとは、肩書き、属性、学歴でしか人を判断しなく、人を馬鹿にしたがる人々。組織においては、会社にしがみつき自分の保身のためだけを考えている人々。コンビニやタクシーの中で暴君になる人々。健康社会学を研究している河合薫さんが『他人を馬鹿にしたがる男たち』(日経プレミアシリーズ)でジジイをこんな人々と書いています。そして「みんな、ストレス溜まってるんだね。確かにそうかもしれません。なんせ上からは「成果をあげろ!「結果を出せ!」と叩かれ、下からは「それ、意味あるんすか?」と抗議され、ちょっとでも残業させようなら「ブラックだ!」と非難されます。これでは誰だって、ストレスが溜まりますよね。(中略)さらに40代になると「中年期の危機」というキャリアストレスに遭遇します。あと数年で早期退職するか、会社にいられるだけいるかも、選択しなければなりません。この危機の「対処」次第でキャリア人生後半戦の「自分のカタチ」が決まることがわかるから、不安になる。不安になればなるほど、保身に走りやすい傾向があります。ジジイへまっしぐらです」と。

 

(図は、現代社会の階層化の機構理解と格差の制御:社会科学と健康科学の融合より引用)

健康社会学とホワイト・ホール・スタディー

心の健康は個人の資質ではなく環境で育まれる、としている健康社会学という学術分野があります。健康社会学の学者は、5つの要因が健康に影響を及ぼすと言っています。5つの要因の中に、ストレスが大きいことや人間関係が乏しいことがあります。仕事の裁量や努力への報酬が小さいこと、他人と比べて劣等感を感じたり、相対的略奪感を感じたすることでストレスが大きくなります。人間関係が乏しいと、孤立しやすく、人からのサポートを受けることがなくなります。ストレスの大きさと仕事の裁量との関係について、興味深い研究成果が発表されています。ホワイトホールスタディと呼ばれているものです。この研究は、英ロンドン大学がストレスと死亡率の関係解明の目的で1967年~1980年まで継続して行った疫学研究で、被験者はロンドンの官庁街で働く約28000人の公務員です。研究は「トップは長生き!偉い人たちほど死亡率が低かった。自分で自由に決めることができる権利を持っている人ほど死亡率が低い。ストレスの多いはずのトップの寿命が長いのも、自分でさまざまなことを決めることができる選択の自由があるからだ」と結論づけています。

 

私からのメッセージ

私が創業したキッカケは決して計画的でもなく、追い詰められての格好の悪いものでした。社長に代わって仕事を任されていた私は、ある日突然、取締役を解任され会社を追い出されるという、惨めなサラリーマンの最後を迎えました。まだまだ事業を続け、最後は社長にという夢は、思いがけない形で潰えたのです。思いがけず退任、他人の意思で退任でした。失意を抱き創業したわけですが、キッカケになったのは、他人の意思で自分の仕事人生を左右されたくない、仕事人生の最後は創業して終わりたい、そして社長として手作りの事業をしてみたい、という強い思いでした。健康社会学とホワイト・ホール・スタディーを信じて、ジジイにならず起業してみませんか。ストレスフルのシニアの皆さんへの、私からのメッセージです。