分かりやすい文章の基本とは
人が読んで分かりやすい文章を書きたい。もう少し欲を言えば、人から共感をもらえる文章を書きたい。そう願っても、難しい。週末にブログを書きながら、いつも思っています。今日のブログは、9つの演習問題をとおして、文章力を直視し、文章力を高める方法を探ることがテーマです。➡は私の回答、☞は改善案。なお、演習問題と解説は『文章力の基本』(阿部紘久著)から引用しています。
文の基本形を確かめる
Q1:サッカーの日本代表は、フェアプレーで有名な国です。
➡日本は、サッカーのフェアプレーで有名な国です。
☞サーッカーの日本代表は、フェアプレーで有名です。
<解説>
主語と述語の関係を明確にします。
Q2:独自のPR方法、接客方法を行い、売上目標を達成した。
➡私は、独自のPR方法、接客方法を行い、売上目標を達成した。
☞独自のPR方法、接客方法を工夫し、売上目標を達成した。
<解説>
目的語と述語の組み合わせの問題。目的語の表現を的確にします。
Q3:このトラは今、自分だけでなく2頭の子供も育てねばなりません。
➡このトラは今、自分が育つだけでなく、2頭の子供も育てねばなりません。
☞このトラは今、自分が食べるだけでなく、2頭の子供も育てねばなりません。
<解説>
「自分が食べる」という別な述語が必要です。
簡潔に書く
Q4:本年も残すところ1か月となり、安全統計を見ると、休業・不休業災害は合計15件と、前年比2件の増加となっており、残念ながらあまり芳しくない成績である。
➡本年も残すところ1か月となった。安全統計を見ると、休業・不休業災害は合計15件と、前年比2件の増加となっている。残念ながらあまり芳しくない成績である。
☞本年も残すところ1か月となった。安全統計を見ると、休業・不休業災害は合計15件と、前年比2件の増加となっている。残念ながらあまり芳しくない成績である。
<解説>
一つ一つ句点(。)で切りながら、文を進めます。
Q5:自分から英語で積極的に話しかけて、自分の伝えたいことが伝わった時は、自分の世界が広がったように感じた。
➡自分から英語で積極的に話しかけて、伝えたいことが伝わった時は、世界が広がったように感じた。
☞英語で積極的に話しかけて、伝えたいことが伝わった時は、自分の世界が広がったように感じた。
<解説>
3つの「自分」のうち、どれか1つを残せば意味が通じます。
Q6:JR各線、雪の影響のため、ダイヤ乱れで運転中。
➡JR各線は雪の影響のため、乱れたダイヤで運転中。
☞JR各線は、雪のため、ダイヤが乱れています。
<解説>
「雪の影響のため」は雪のため」で足ります。「ダイヤ乱れで運転中」は、「ダイヤが乱れています」が自然です。
分かりやすく書く、簡潔に書く
Q7:男性向けの従来のものよりも大きいサイズのパンを開発したい。
➡男性向けのパンで、従来のものより大きいものを開発したい。
☞従来のものよりも大きいサイズの、男性向けのパンを開発したい。
<解説>
修飾語は、被修飾語のなるべく直前に置こうという例です。
Q8:ITを活用すれば、生産性や売上をもっと向上する余地があります。
➡ITを活用すれば、生産性や売上はもっと向上します。
☞ITを活用すれば、生産性や売上をもっと向上させる余地があります。
<解説>
「てにをは」(助詞)の使い方の問題で、「売上を向上させる」です。
Q9:彼はこの会議に対しての意味を考えず、欠席してしまった。
➡彼はこの会議の意味を考えず、欠席してしまった。
☞彼はこの会議の意味を考えず、欠席してしまった。
<解説>
「会議の意味を考える」であって、「会議に対しての意味を考える」ではありません。最近の話し言葉では、「に対して」が誤って多用される傾向があります。
必要十分条件
書いた文章に共感をもらうためには、まずは分かりやすいい文章を書くことです。このことは必要条件ですが、十分条件ではありません。わかりやすく、具体的なエピソードが目に浮かぶような文章を書く、これが人から共感をもらう文章の必要十分条件です。『文章力の基本』(阿部紘久著)から学んだことです。書くべきエピソードのある生活にしたいものです。
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