IT導入補助金を効果的に活用するためには

プラスITフェアー

4月24日は金沢でした。今年全国10か所で開催された中小企業庁主催の「プラスITフェアー」。経営力向上、販路拡大、業務効率化、生産性向上・・・。ITであなたの会社の未来が変わる!

 

  • 店舗の売上向上を実現するレジシステムを導入して、タブレット型レジで簡単決済。顧客ごとの売上を把握してリピーターも増加!
  • クラウドによるホテル管理システムを導入してサービスや運用に必要なすべての情報を一元管理。迅速できめ細やかなサービスを実現!
  • 経費や精算、給与などの管理システムを導入して、請求書作成や給与計算など経理にかかる時間を大幅削減してスピード経営を実現!

これらの事例紹介や、システム、クラウドサービス導入にかかる費用を補助する国のIT導入補助金の説明など、盛り沢山な内容のフェアーでした。

 

IT導入補助金とは

このIT導入補助金の仕組みは、これまでと違っています。これまでは、補助金を活用してITを導入する企業(A社)が「こんなITを導入して生産性を上げたいので申請します」でした。この補助金jは、システムやパッケージソフト、クラウドサービスなどのITソリューション・ツールを登録したITベンダー側がIT導入支援事業者に認定を受けると、A社に代わって代理申請をすることができるようになりました。今現在、全国で約3,000のITソリューション・ツールが登録され、認定されたIT導入支援事業者は約1,000社程度といわれています。この仕組みでもって、企業が補助金を活用してITを導入すると、どんな問題が出てくるのでしょうか。

 

POSレジ比較表

先日、奥能登の商工会議所から会員さんに対するIT利活用の支援依頼がありました。会員さんはレストランです。「レストランのレジをPOSレジに入れ替え、お客様の利便性を考えクレジット決済をしたい。また事務所とセキュリティ上分離された店内専用のWifi環境を作りたい」。これについて適切なアドバイスを欲しい、というものです。最近のレジはPOSレジが多くなり、POSレジもクラウド型POSレジを導入する事業所も多くなっています。プラスITフェアーでも、基調講演でPOSレジを上手く活用してお客様を増やし、売上を向上している事例が紹介されていました。1日目の主要な作業は、ヒアリングをとおしてレストランの現状把握、やりたいこと、目標、IT利活用の成熟度、そして課題(仮説)などの確認です。そして最後は、クラウド型POSレジの比較表を示しながら、最近のPOSレジの動向などを説明して1日目を終りました。次回は、オンサイトサポートをしてくれるPOSレジベンダーに同行してもらい、操作性や機能その他をデモをしてもらう予定です。

ユーザー企業側でやるべきこと

ユーザー企業がITを導入して、業務の効率と売上を向上させていくためには、必要とされる要件がいくつかあります。まずユーザー企業側で課題とIT導入の目的を明確にしていること。IT利活用の成熟度に合った(身の丈に合った)IT導入であること。特にクラウドサービスの場合には、初期費用が小さく月額費用もわずかであるため、ベンダーはサポートには手間暇かけません。メールや電話での対応がほとんどです。簡単導入を謳い文句にしていても、ユーザー企業にとってはITは非常に手ごわいものです。奥能登のレストランのように、ヒアリングをとおしてレストランの現状把握、やりたいこと、目標、IT利活用の成熟度、そして課題(仮説)などの確認を行い、操作性や機能その他をPOSレジベンダーにデモをしてもらう。このような導入前の支援を受けてIT導入をしないと、良い効果が生まれません。補助金が出るからといって、ベンダーに勧められるままに導入効果も漠然した状態で導入すれば、活用しないまま眠ったままのITということになりかねません。このIT導入補助金は3/2補助ですので、ユーザー企業側で1/3は自己資金で賄うことになります。1/3であっても無駄な投資にしないためにも、IT導入補助金を活用してのIT導入には、商工会議所などの経営相談員の前裁きを受けたり、IT利活用の専門家 ITコーディネータの支援を受けることが、効果的なIT導入補助金を活用したIT導入の姿です。