中小企業の生産性向上はどうすればいいの

中小企業の全体像

平成29年3月に中小企業庁が発表した「2017年版中小企業白書・小規模企業白書概要(案)」には、中小企業・小規模企業の全体像を、次のように書いています。

「中小企業の景況は緩やかな改善傾向にあるが、新規開業の停滞、生産性の伸び悩みに加えて、経営者の高齢化や人材不足の深刻化といった構造的な問題が進行中」。そしてやらなければならない課題の、まず1番に、中小企業の売上高、生産性の向上をあげています。

 

非連続の変化

経済産業省の推進資格であるITコーディネータを認定・育成しているNPO法人ITコーディネータ協会は、『ITコーディネータはここがちがう』というリーフレットで、次のように中小企業経営者に訴えています。「経営者の皆さん! 世の中、いままでとは根本的に異なる変化が起きていると感じませんか。変化の本質は連続から非連続になってきています。いままでの常識や概念では対応できない非連続の変化が起きていると感じませんか」。

 

プラスITセミナー

そして、「経営者の皆さん!もはやITを後回しにはできません。ITを味方にして、経営変革を目指しませんか。ITは難しい、金と時間がかかる、投資効果がわからないといった嫌な経験をお持ちではないでしょうか。IT利用を業績に直結させるには、経営者目線でITの利用価値を目利きする必要があります。ITを経営変革に活用する方策について相談できる人は身近にいらっしゃいますか? 新たなパートナーとしてITコーディネーターを加えてみることをお勧めします」と。昨年私たちITコーディネータは、全国の商工会議所・商工会の経営相談員向けに「ITスキル向上研修」を実施してきました。今年は全国100の拠点商工会議所において、以下のようなテーマのワークショップ型ITセミナー(プラスITセミナー)を開催します。

・IT導入、刷新

・クラウドサービス活用

・見える化、データ収集分析

・販路開拓

・情報発信

 

生産性の式を分解すると

この生産性はどのような式で表されるのでしょうか。一般的には労働生産性として、下記のように表されます。

(以下の分解式は、栃川ITCの資料を引用)

この式をさらに分解するとこのようになります。

さらに設備などの固定資産で分解し、設備投資をどれだけしたかという機械化の程度である「労働装備率」と投資された設備(有形固定資産)がどれだけの付加価値を生み出したかをみる「固定資産回転率(設備生産性)」という二つの指標で生産性をみることができます。

IT投資によるIT資産も、固定資産です。すなわち投資効果が上がるIT投資、言い換えれば、IT投資によって人件費を小さくし(労働装備率を大きく)、IT資産を利活用して売上を大きく(固定資産回転率を大きく)することにより、生産性を向上することができるのです。今国は、中小企業の生産性向上に大きな予算を投じています。100万円を限度とする「IT導入補助金」は、そのうちの一つの施策です。クラウドサービスなどを活用すれば、これまでとの違った少ない予算で経営の効果を出すことが可能になってきました。経営者の皆さん!もはやITを後回しにはできません。ITを味方にして、生産性を高め、時代の変化に対応した経営に変えてみませんか。