シニア起業のすすめ

電車の始動

電車は出だしのときには恐ろしく大きなエネルギーを必要とします。そういえば、停まっていた電車が走りだすときは、とってもゆっくり動き出します。今福井県の創業マネージャーとして、創業したい人の相談に乗り、背中を押してあげる仕事を週1回しています。成り行きや勢いで会社を飛び出す人もいますが、一般的には、家族を持つサラリーマンが会社を辞め、創業するのは、気持ちの上ですごく大きなエネルギーが必要です。まさしく、電車が止まった状態から動き出すことに似ています。

 

80歳からの起業

人生100年時代、バイタリティにあふれた人生を送るにはどうすればいいのか? 旺盛な執筆活動を続ける93歳「知の巨人」外山滋比古さん。著書『知的老い方』の中に、外山さんが80歳で出版社を作り、起業をしようとしたことが書かれています。いろいろな事情で出版社を作ることはできなかったようですが、それでも自分一人でで自費出版を始めた。「私が出版社を作り起業しようと思った第一のねらいは、自分も含めて年をとってから生きがいのある仕事を新しく作ることであった」と。

 

独楽吟

たのしみはで始まり、・・・のときで終わるる郷土の歌人橘曙覧の『独楽吟』。日本の桜百選にも選ばれている福井市足羽川堤防のぼんぼりには、中学生の独楽吟が書かれてあります。家族団らんを書いた独楽吟が多い中、こんな独楽吟を見つけました。「たのしみは いつも変わらぬ日常を 一工夫して変えられたとき」。なんと前向きな! 惰性で日々を過ごすことの多い私たちには、ズシーんと刺さる独楽吟です。

 

その気になれば・・・

外山滋比古さんだからできる、ではなく、誰でもシニアからもその気になればできることは多いと思います。定年後の手習い。始動のエネルギーは必要ですが、もう一歩踏み込んでシニアからの起業。これらはいくばくかの緊張感をもたらしてくれます。この小さな緊張感が身体に良いのだ、と高校の同級生医師は私に言ってくれています。私の今を独楽吟風に書けば「たのしみは 今日も仕事して 晩酌に少し酔いしれるとき」でしょうか。シニア起業、やってみませんか。始動のエネルギーは、これまでの経験とリスク管理、そして背負うものが少ないことでで小さくできる。これがシニアからの起業です。