浜までは海女も蓑着る時雨かな

時々見かける人

リタイヤ後は服装にも無頓着で、どこに行くにもジャージー姿。好き勝手な言動により、「あの人長生きするよ」と陰で言われたりする傲慢な人。老醜をさらけ出すことに羞恥心も感じない人。こんな人、時々、見かけますね。

 

意味深い句

「浜までは海女も蓑着る時雨かな」

外山滋比古さんが書いた『知的な老い方』に紹介されている句です。海女はいずれ海に入る。時雨が降っていても、どうせ濡れるのだから構うことはないとしても、さすがにたしなみは忘れないで浜まだ蓑を着ていく。このような意味です。

 

どうせ・・・

人間は、なにかというと”どうせ”ということを言って、甘える。たしなみを失い、努力を怠る。みっともないことを平気でする。この句を紹介しながら、年とっても、ぎりぎりの最後の最後まで、わが身をいとい、美しく、明るく生きるようにつとめよう。こう外山さんは言っています。

 

まだまだ当分は

どうせ・・・だから。どうせもう年だから。どうせもう年だから恰好かまえず、周りを気にしないで生きよう。どうせ退職したのだから、これからは好きなことして、悠々自適で余生を過ごそう。知的な老い方まではならずとも、どうせ・・・だからの生き方はしたくない。恰好つけ、周りに気をつかい、趣味を楽しまず、まだ仕事している私の生き方。まだまだ当分は、時雨でも蓑つけて浜まで行く海女さんでいたい。