青春18切符のこんな使い方

戻れない・・・

北陸新幹線が金沢まで延伸開業し、金沢から東京まで、全席指定席で最も速い「かがやき」に乗ると2時間半。あっという間に東京に着く。停車駅が多く、3時間ほどかかる「はくたか」に乗ると、指定席料金を払ってでも、「かがやき」に乗ればよかった、と後悔する。それほど左様、私たちは速いという便利さを手に入れると、少しでも遅いと、耐えられなくなる。CoreCPU仕様のサクサク動くパソコンを使い始めると、もうCeleronCPUのパソコンに戻れないのと同じように・・・。

 

9月10日までに

JRが夏と冬、年2回発行している「青春18切符」というのがある。5枚つづりで、11,850円。1枚あたり、2,300円ほど。1回分は1日24時間、普通電車に乗り放題。夏発行のものは、9月10日24時までが使用期限となっている。はじめてこの切符を買った。目的は、1回分2,300円という安さを旅行だけでなく、いろいろなケースで活用することである。すでに福井から金沢までの通勤に4枚は使っている。9月10日までに最後の5枚目を使い、福井から東京まで旅費2,300円、約11時間のスローな出張の旅を体験することにした。

福井から米原まで

9月5日(月)東京での会議のため、前日、青春18切符を使って行くことにした。福井駅を7時45分出発。日曜日の始発のため、乗客は少なく、好きな座席を確保できる。いつものように、足元が広い、合い向かいの席に座る。敦賀まで約50分。今日は長旅、たっぷり時間はある。1冊の本と会議の資料、日経をバックに入れてある。まずは今日の日経を読む。その後は、のんびり、外の景色を眺めながらボケーとしている。1回目の乗換駅敦賀駅に着く。待ち時間は、約1時間程度。新しくなった敦賀駅の待合室。ここで持ってきた本『一生を賭ける仕事の見つけ方』(斎藤祐馬著)を読む。敦賀駅からは姫路行きの湖西線で近江塩津まで行き、米原行きに乗り換える。約16分で近江塩津駅に着く。ここで約26分の待ち時間。ホームで少し涼しくなった風をうけながら、米原経由姫路行きの北陸本線新快速を待つ。近江塩津始発のため、この電車も足元が広い、合い向かいの席に座る。

米原から東京まで

米原駅に到着。ここから、大垣行きの東海道本線に乗り換える。待ち時間、約18分。昼用のサンドイッチを仕入れる。8両編成の電車で、米原始発のため、これまで同様、電車も足元が広い、合い向かいの席に座る。途中まで読んだ本を取り出し、ここから本格的に読む。大垣駅にはすでに豊橋行きの始発電車がホームに待っている。さすが東海道本線、電車の席はかなり埋まっていた。出発の頃には、立っている人もちらほら。ここからは、東京まで東海道本線を4本乗り継ぎ、東京へ。大垣⇒豊橋、豊橋⇒浜松、浜松⇒静岡、静岡⇒熱海、熱海⇒東京。大垣から東京までの各乗り継ぎ電車は、都内を走る電車と同じく、横2列の長い座席。東京へは、予定どおり、18:30分到着。乗り継ぎ時間を含め、10時間47分のスローの旅が終わった。

思ったほど疲れない

いわゆる鈍行(普通電車)の乗り継ぎをするので、同じ電車に長時間乗りっぱなしで飽きるということはない。適度な待ち時間は気分転換にもなる。そして、東海道本線は新幹線より海側を走っているため、湘南海岸の景色が楽しめる。また利用したくなった。