要望を「なぜ?」と問い直してみる・・・

最初の要望

相談者の要望は直接的です。「サイボーズで情報共有したい」「情報共有するにはどんなITツールやソフトウエアを使えばよいでしょうか」「Accessで情報管理するやり方を教えてください」「どんなホームページを選んで、どのようにして作成すればよいでしょうか」。これらは、私が商工会議所での中小企業のIT利活用相談で、相談者から最初に出てくる要望です。

 

仕事のやり方

企業で仕事をするときは、ある決まった仕事の流れと約束事があります。これを業務フロー、業務ルールといいます。仕事をする上で必要な情報・データを人から受け取り、仕事をした結果あらたに作り出された情報・データを人に渡し、仕事が流れていきます。最近では仕事の仕組みが変わり、情報・データは人から人へのバケツリレーではなく、サーバーやパソコン等にストックし、必要に応じて参照しながら、仕事を進めていくという形に変わってきています。ITを利活用することによって、業務効率の向上を目指し、その目的のために業務フローや業務ルールを変えているのです。

 

潜在的なニーズ

中小企業の業務にもIT化が進み、今では基幹業務システムからExcelでの情報・データ管理まで、何らかのIT(情報システム)が導入され、使われるようになっています。しかし、これらのITを上手く使いこなし、企業の業績向上を支えている事例は多くないのです。そのため、IT利活用の相談、支援を求めている企業が潜在的には多く存在するのが現状です。では何故なのでしょう? 相談者の直接的な要望を聞くと、その原因がわかってきます。

 

要望の四つの階層

要望には四つの階層レベルがあります。最上位は経営レベルの要望。売上を上げたい。コストを削減して利益率を向上したい、など。次の層は業務レベルの要望。業務の品質、生産性、スピードの改善、など。3番目は仕組みレベルの要望。新しい業務を構成する業務フロー(プロセス)、業務ルール・制度、組織、人など。そして4番目はシステム(IT)レベルの要望です。IT基盤やIT、ITの機能、画面(インターフェース)、など。

 

患者の医者への要望

私たちが医者に相談するとき、往々にして、身体が痒いので痒み止めの注射をしてください、血圧が高いので降圧剤ください、と要望を伝えます。直接的な効果を期待して、直接的な要望を伝えることは、普通のことです。しかし、医者は当座は患者の言うとおりの処置をしてくれます。しかし根治のための検査や治療も並行して行います。相談者から最初に出てくる4番目のシステムレベルの要望は、医者に対する患者の直接的な要望に似ています。

 

IT利活用の成果を上げるためには

「サイボーズで情報共有したい」「情報共有するにはどんなITツールやソフトウエアを使えばよいでしょうか」「Accessで情報管理するやり方を教えてください」、これらの要望に対し、私は「なぜ?」と問いかけます。問いかけによって、新しい業務の仕組みについて考えてもらうキッカケを与えています。その仕組みは、業務フロー(プロセス)や業務ルール、組織の在り方、人のモチベーションやITリテラシー向上などです。IT以外のこれらすべてに目配りして欲しいからです。あくまで正しい順番は、新しい仕組みを考え、これを支えるシステムに関する要望を考えることですが、システムレベルの要望から考えたのならば、一つ上の仕組みレベルの要望に立ち返ってシステムレベルの要望を検証してみる。これがIT利活用の成果を上げための王道です。

 

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コメント: 1
  • #1

    鶴大地 (火曜日, 07 11月 2023 12:36)

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