ガバナンスという言葉

統治・統制・支配

ガバナンスとは和訳すると「統治・統制・支配」です。コーポレートガバナンスという言葉で使われるる場合などは、規則・規定を整備して統治する、指示に従わせるといった意味で捉えることが多いようです。しかし本質的な意味合いは、組織や社会に関与するメンバーが主体的に関与を行ない、意思決定や合意形成を行うシステムという意味です。

 

コーポレートガバナンス

コーポレートガバナンスが「企業統治・統制」という意味に使われたケースとして、記憶に新しいところでは、つい先日のコンビニ「セブンイレブン」を傘下に持つセブン&アイ・ホールディングスにつてのコーポレートガバナンスです。外部取締役からは「気にくわないから辞めさせる」とかしか感じられないとして、鈴木会長が提出した社長交代人事案を否決した取締役会。正当な理由なき経営判断に待ったをかけたコーポレートガバナンス(企業統治)が働いたと報道されていました。

 

ITガバナンス

一方ガバナンスにITがついたITガバナンスはどうでしょう。ガートナー社はIT分野の調査・助言を行う企業として有名ですが、ガートナーではITガバナンスを、「意思決定権や説明責任の所在をIT部門と事業部門が共同で規定し、IT活用における望ましい行動を推進すること」と定義しています。この定義からITのガバナンスが効いている会社という意味を、もう少しわかりやすく言えば、「社員がITを積極的に活用できる仕組みが構築されている」ということになります。

 

言葉の本質の理解

企業がIT利活用を推進し、成長を図ろうとするとき、まず自社のIT利活用成熟度を調べます。成熟度に応じた推進ステップが重要だからです。いわゆる「猫に小判」にならないようにするためです。この成熟度指標の一つにITガバナンスがあります。IT環境が整備され、IT人材が居て、社員のITのリテラシーが高くても、ITガバナンスが低い状態では、経営に効果をもたらすIT利活用を推進できません。言葉の本質を理解することの重要性を感じます。その言葉の一つが、ガバナンス。