リーダーシップと目標の力

3月11日

3月11日、東日本に大震災が起こって5年が経とうとしています。復興は進んでいるのでしょうか。私にとっては、他人事ではない関心事です。私の家内の実家は大きな被害を受け、いまだ仮設住宅に住まざるをえない状況にもあります。

 

5年前の被災地

自分の目で確かめるため、震災の年の夏、初めて被災地石巻に入りました。石巻のシンボルともいえる日本製紙石巻工場の広大な敷地には、津波で押し流されてきた瓦礫や自動車の山、山。女川町は、町全体が津波で流され、滅亡した町のようでした。牡鹿半島の浜にある集落は、いたる所、津波に流され何にも残っていません。すさまじい光景だったのを思い出します。

 

明日へ

今朝のNHK10:05からの番組「明日へ」。毎日曜日、東日本大震災の復興状況を取り上げています。今回は、日本製紙石巻工場の復興に立ち上がった社員のドキュメントでした。「復興の狼煙を上げろ!石巻の誇り・・・。製紙工場の戦い。リーダーのまさかの決断」。番組を見ながら、涙しました。ラグビーワールドカップ南アフリカ戦以来です。TVを見ながら涙したのは。

 

日本製紙石巻工場

紙を作る最終工程である抄紙機を半年で稼働させる。半年を過ぎると、石巻工場の紙を指定して買ってくれていた出版社も他社に流れてしまう。半年は、工場復興の生命線。瓦礫と汚泥で埋まったそのときの工場の状況では、少なくとも2年はかかると誰しも思っていた。「半年で稼働させる」という無謀とも言える工場長のまさかの決断。この決断があったこそ、半年という目標に向かい、各職場の社員が課題をみつけ、課題解決のあらゆる方法を考え、最終的には目標を実現してしまう。リーダーシップと目標が持つ力の大きさを見せてくれた番組でした。