信金連携の提案

問題と課題

地域の課題解決、企業の課題解決。よく耳にする言葉ですね。私は問題と課題を以下のように言葉として使い分け、中小企業の支援をしています。地域や企業には様々な困った問題が多く存在します。それらの問題は、一つの重要問題(真因ともいいます)に根ざした問題、いくつかの問題が絡み合って派生した問題、それ単独での問題など、原因も様々です。これらの問題分析をして、問題を解決するための課題(何をすればよいか)を明確にします。そして課題を実現する方法の選択肢をいろいろ考ます。選択肢の中から経営効果や実現可能性などを考慮し優先順位をつけ、絞り込みます。5W1Hで実践可能な計画に落とし込み、実行します。多くの場合、選択肢の一つには必ずITの有効活用が含まれます。ITコーディネータ(ITC)がITCプロセスガイドラインに沿って企業の支援をするときのプロセスを平易に書くと、このようになります。

 

攻めのITへ

「昨今、中小企業の抱える経営課題は、高度化かつ複雑化しており、ITの有効活用は、そうした経営課題に対応する手段のひとつとなっています。最近では、財務会計、人事給与管理等の業務効率のためのIT活用(守りのIT)という従来からの取組み以外に、生産管理、営業力強化、新規顧客獲得等の生産性や競争力の向上のために、ITを積極的に活用(攻めのIT)する企業が増加しています。国は日本の経済力向上には、中小企業の稼ぐ力を高めることが重要であり、それには攻めのIT利活用によるIT経営は必須の要件だとしています。(明日、提案へ)」

 

信金連携の広がり

2013年12月6日、ITコーディネータ協会は、地域の活性化と産業の振興を図るため相互に協力し、地域社会の発展に寄与することを目的に、西武信用金庫と包括的連携・協力協定を締結しました。具体的には、西武信用金庫が顧客向けに実施する「IT活用サポート事業」にITコーディネータ(ITC)を活用する支援スキームを構築致します、という内容です。この協定以後、全国の下記信用金庫と地元のITC組織とが連携し、お客様への支援活動が行われています。

・敦賀信用金庫

・しまね信用金庫

・島根中央信用金庫

・東京東信用金庫 

・岐阜信用金庫

・津山信用金庫

 

明日、提案へ

「(攻めのITへ)しかし現状は、ITの有効な使い方がわからない、IT投資に対する効果を感じない等の経営者も多く、IT経営には保守的です。中小・零細企業にとっての賢いITの利活用、IT経営の進め方の啓蒙が必要と感じております。今、中小・零細企業にとっては追い風となるIT利活用の技術、クラウドサービス等が普及してきました。貴金庫様のお客様へのIT経営に対する啓蒙からご支援まで、私ども協会を活用していただきたく、業務連携のご提案をいたします」。明日、仲介していただいた信金中央金庫北陸支店の方と同行し、私ども石川県情報化支援協会が地元の信用金庫へ提案します。これが、ご提案書の趣旨です。