弱者が強者に打ち克つ要件とは

目標を持った者は強し

ハンディがあるから弱者。アドバンテージを持っているから強者。しかし時にはハンディを乗り越え、弱者が強者を倒すことがあります。日本を、いや世界を興奮させ、歓喜させたRWC(ラブビーワールドカップ)でのエディージャパン。『太郎丸日記』、『Rugby JAPANWAY』を読み終えた今、あたためて目標を持った者は強しを実感しています。RWCまでの4年間、地獄を見るようなハードワーク。家族を犠牲にしてまでの長期の合宿。何が彼らをして、耐えてエディージョンズHCについていったのだろうか。それは、「歴史を変え、2019年の日本開催RWCを成功させる」というエディージャパン31名が共通に持った目標でした。

 

自信に裏付けられた自主性

もうひとつ、エディジャパンのメンバーが持つ自分で考え、戦況に応じた最適解を選択する能力。それを証明した場面は、世界の番狂わせと言わせた、南アフリカ戦でのロスタイム内の逆転劇でしょう。29-32。3点差のビハインドで残り3分。スクラムから得たペナルティー。エディーHCからの指示は、ペナルティーゴールによる同点狙い。しかし、主将マイケルリーチの選択は違っていた。リーチの選択にスタンドのエディーHCは激高したとか。結果はヘスケスの大逆転トライ。HCの指示を超えた、ピッチに立つ彼らの自信に裏付けられた自主性がもたらした結果だと言えるでしょう。

 

家電ベンチャー

ビジネスの世界でも同じようなことが言えると思っています。ヒト、モノ、カネでハンディキャップのある中小零細企業。しかし、中小零細企業でも大企業を相手に、競争に打ち勝っている事例があります。1月6日のNHKニュース”おはよう日本”で放映された「ヒット連発 家電ベンチャー寺尾玄社長 モノではなく“体験”を売る」。一見、何の変哲も無いトースター。価格は2万円以上します。一般的なものに比べはるかに高額です。焼き上がったパン。「こんなにサクサクしたのはなかなかない!」と。発売から半年。販売台数は2万台を超えているそうです。寺尾さんの会社 バルミューダ株式会社は、社員50名の中小企業。大手メーカーから転職した技術者が転職し、集まっています。以前の会社大手電気メーカーでは、求められた性能の実現に取り組んできた技術者たち。しかし転職したバルミューダ株式会社では、企画会議の段階から参加し、商品作りに関わっています。顧客への感動体験の提供という目標に向かい、社員の自主性にもとづいた、徹底したこだわりから創り出される製品。寺尾社長「・・・技術者とともにコンセプトを練り上げていくことで、彼らの情熱に火を付けていきます」と。

 

言うは易く、行うは難し

昨日は、今年初めての社員全員集合の定例会。年始にあたり、私から社員に実践して欲しいこと、実現目標を話ししました。テクニカルスキルとヒューマンスキルを向上させること。今必要とする資格、将来必要と思われる資格取得にチャレンジして資格を取得すること。ビジネスマナー、コミュケーション能力などを見直し、自己変革にチャレンジすること。しかし会社が社員に提示する実現目標を、社員が自分の目標に落とし込み、自主的に取り組まないと、成果は生まれません。RWCでのエディジャパンも家電ベンチャーバルミューダ株式会社も、ともに弱者が強者に打ち克ちました。その要件とは、明確な目標とメンバーや社員の自主性です。もうひとつ、忘れてはならないのは、エディジャパンのエディHCのリーダーシップであり、家電ベンチャー寺尾社長のリーダーシップ。3つの要件は、言うは易く、行うは難し・・・。