ブレークスルーするには?

VPC

ブレークスルーとは、本質的な課題を打ち破る革新的な解決策のことを言います。 ブレークスルーを見出すには、ある課題の表面的な症状に振り回されるのではなく、そうした症状を引き起こしている真の原因を探り当て、ベスト・プラクティスなどを参考に大胆な発想の転換を行う必要があります。企業において、これまでのビジネスモデルを改革する、言い換えればブレークスルーためのフレームワークにビジネスモデル・ジェネレーション・キャンパス(BMG)というものがあります。そしてBMGの発想の起点となるものが、顧客について深く考えるバリュー・プロポジション・キャンパス(VPC)です。


これからのITCA

投資効果の上がるIT投資を支援できる人材を育成するため、国がITコーディネータ(ITC)制度を作って14年になります。このITCの資格を認定する機関が東京にあるITコーディネータ協会(ITCA)です。現在では6,000名を超えるITCが全国で活動するまでになりました。制度創設から10年以上経過し、ITCAの存在価値の再構築、ITCAの役割の見直しと構造改革、これらの課題を抱えたITCAは今年から3か年計画で改革を推進しようとしています。


研修・制度委員会

今年度からのITCAの改革の一つに、ITCだけでなくその先の企業や支援機関、大学、研修センター等に売れる研修を作る「オープン研修」事業というものがあります。この事業は、私が委員長になっている研修・制度委員会が担当しています。具体的な成果物をつくるため、現場で中小企業の支援・コンサル

をし、中小企業を熟知している実力のあるITC 6名に参画してもらい、オープン研修ワーキンググループ(WG)を立ち上げました。10月23日、オープン研修WGのキックオフ。キックオフの日に出たきた議論は熱いものでした。「これまでのやり方を真っ新にして考える」、「売れる研修とは?企画の原点にもどり、買ってもらう顧客についてVPCのフレームワークを使って深い議論をすべき」、「全国のITCの持っているベスト・プラクティスや失敗事例を検討し、まづは売るためのスキームを考える」などなど、次回、第2回WGの課題となりました。


均一性と多様性

全国のITCには、ITCAに毎年の資格更新料を払い資格を維持しているITC、資格更新料の他に会費を別途払ってITCAの会員になっているITCがいます。会員はITCAにより近い関係のITCと言えます。WGのメンバーの多くはITCAの会員ですが、ITCAの方針・考え方に賛同している人ばかりではありません。それぞれ実力のあるITCですので、逆の方向感を持っている方もいます。多様で、個性の強いWGメンバーの議論はこれからどの方向にいくのだろうか。WGのチームビルディングをした私にとって、ITCとしては楽しみでもありますが、ITCAの理事としては怖い気もします。ブレークスルーは均一性よりも多様性の議論から解決の糸口が見つかり、収束していく。WGのメンバーを信じています。