ITガバナンスの効いた企業とは?

企業の成熟度

企業が成長するために必要で最も重要なことの一つが、目標、言い換えれば、こんな会社になりたいという、あるべき姿を設定することです。この目標(あるべき姿)を目指して、現状とのギャップを埋める努力を積み重ねることによって、会社は成長します。目標を目指して努力する方法は、企業の経営成熟度、IT経営の成熟度、ITの成熟度によって異なってきます。


ガバナンスという評価基準

今月29日が最終日となるITコーディネータ(ITC)認定用研修。ITを活用したIT経営によって、どのように会社を変革し、会社を成長させることができるのか。ITCはどのようなプロセスでIT経営を支援したらよいのか。これらを、e-ラーニング事前研修と6日間の集合研修で学んでもらう研修です。この研修では、企業のIT経営の成熟度やITの成熟度の理解が非常に重要です。これらの成熟度の一つにガバナンスという評価基準があります。ガバナンスの本質的な意味がわかっていないと、評価も難しく、評価にバラつきが生じます。


本質的な言葉の意味

英訳された日本語には、本質的な意味とは何だろうと思う言葉があります。その一つが「ガバナンス」です。日本語では「統治」と訳されます。よく使われのは、「コーポレートガバナンス」や「企業統治」などです。この「統治」は、皆をまとめて治めるという意味ですので、企業統治は企業内部を上手く治めるということになります。さらに「企業統治」の延長線上には、規定・規則を整備して法令順守すること。指示に従わせること。経営者や社員による会社の不正等を見張る活動(仕組み)として内部監査すること。セキュリティを守ること、などの意味でも使われます。では、本質的な意味とは何でしょうか。


ガバナンスとは?

ITソリューション塾(ネットコマース株式会社 斎藤昌義氏)から引用すると、ガバナンスとは、「命令や指示などなくても、普段通りの業務をこなしていれば、業務や経営の目的が達成されるビジネス・プロセスを構築し、それを運用すること」としています。具体的に使われる事例として、ITガバナンスが効いている組織とはどんな組織なのかを考えると、IT部門と事業部門が意思決定の規定・規則を共同で作成し、IT活用における望ましい行動が推進できるようになっている、ということです。もっとわかりやすく言えば、ITのガバナンスとは、ITを使いこなせる組織の力ということです。言葉の本質的な理解、すごく大事です。目指すは、ガバナンスの効いた企業ですね。