経営者の視点に立った支援

ケース研修金沢開催

昨日より、ITコーディネータ(ITC)認定用ケース研修が金沢で始まりました。受講者は11名。嬉しいことに、これまでで最も多くの受講人数です。ITベンダー企業から9名、Web関係企業から1名、独立コンサル1名。6日間の集合ケース研修は、ケース企業がIT経営を推進するプロセスを、グループディスカッションによる演習をとおして体感してもらう形になっています。初日は、IT経営を経営者に認識してもらうフェーズです。演習は、経営者にIT経営によって企業を変革するコミットメントをしてもらう課題です。演習課題の発表を聞いて思いました。まだITベンダーの意識が抜けきっていないなと・・・。これでは、経営者に変革の意識づけは出来ません。


国の経済基本政策におけるITCの役割

「人口減少や高齢化、国際化や就業構造の変化など、中小企業が直面する経済・社会構造は大きく変化しています。このような中、大企業にとどまらず、我が国の経済基盤を支える中小企業が「稼ぐ力」を高め、日本経済を持続的、安定的に成長させていくことが求められています。このためには、中小企業が自らの財務状況の現状を適切に把握し、今後の自社の進むべき方向性を明確にした上で、稼ぐ力を高めるための経営革新を行うことが重要です」。これは安倍政権の経済基本政策です。国が推進している企業の稼ぐ力を高めるための経営革新には、ITの利活用は必須です。ITの利活用を積極的に実施して収益力を高めている企業。経産省は、大企業を対象としては「攻めのIT経営銘柄」18企業を、中小・中堅企業を対象としては、「攻めのIT経営」百選企業を選定して紹介する取り組みを行っています。これらの施策の中で、「ITコーディネータ等を通じて中小における「攻めのIT投資」を促進」、と明確にITCの役割が明記されています。


経営者の信頼を得る前に・・・

ケース研修の初日、これからITCを目指そうとする受講生に対し、こんな話しをしました。

企業を訪問して経営者の信頼を得ることがITCとしての活動のスタートとなりますが、その前に、経営者と接点を持ち、コネクションづくりをして経営者に会えるようになることが必要です。具体的には、公的支援事業(ミラサポなど)の専門家に登録し、専門家派遣事業で企業支援する。国のものづくり支援事業への応募申請を支援する。「攻めのIT経営百選」(旧「IT経営力大賞」)の応募を支援する。IT経営カンファレンスや各種セミナーに積極的に参加する。経営者に関心のあるテーマ、例えば「中小企業のための各種支援制度」、「Webを活用した売上向上戦略」、「クラウドを活用した費用を抑えたIT化」などの独自セミナーを実施する。その他、ITコーディネータ協会の「IT経営成熟度診断ツール」を使った無料診断やホームページ・クラウドサービス「はじめてWeb」などのドアノックツールを活用して企業訪問する。


変革を求められるのは受講生の意識

経営者が企業変革の認識を持ち、IT経営に踏み出してもらうには、どうすればよいのでしょうか。ITCとして何が必要なのでしょうか。孤独な経営者の良きパートナーとなり、経営者の視点で経営の効果を考えたIT利活用を助言できるようになること。そのためには、いろいろな機会をとらえて企業経営者と接点を持ち、経営者の懐に飛び込み、信頼を得る。6日間のケース研修で受講者はどのように意識が変わってくるのか、インストラクターとして楽しみにしています。