中小・零細企業のIT活用、3つの「活用を考える」

攻めのIT投資の前に

中小・零細企業は人材不足や資金の面で、積極的なIT投資が出来ていないのが現状です。売上増や商品・サービス価値を上げるITの活用を、昨今では「攻めのIT投資」と呼んでいます。しかし、攻めのIT投資を考える前に、いろいろな非効率的な仕事をせざるを得ない状況があり、何とかしたいお困りごとを抱えているのです。営業では、営業部員が提出する営業日報から、大事なデータのみ別の管理ファイルに手動(転記)で集約。総務・人事では、社員からメールで送られてくる勤務表(Excel)を集めて印刷し、勤務時間の合計欄のデータを別のExcelファイルに転記し、残業代を計算。管理部門では、多くの営業所から上がってくる月別売上、利益等のデータをメール添付で集め、管理のための別ファイルに転記・集計するなど、日常、業務でやっている面倒なことが一杯あります。「何とかならないか!」、叫びが聞こえてきそうです。


業務のお困りごと解決セミナー

「業務のお困りごとを解決する中小企業のExcel活用法」。私が企画しているセミナーの内容です。日常の業務では、手書きのデータを転記したり、いろいろなデータを集計したり、売上に影響する要因を分析したり、事業計画を作成したりと、Excelは必須のツールとなっています。これらのシーンで、どのようにExcelを活用すればよいのか、事例をもとに解説するセミナーです。Excelは使い方一つで、会社の業務の強い味方になります。中小企業のお金をかけないIT化の一つの方法学べるセミナーです。


1.見やすい、ミスのないExcel表の作り方

 ・表のフォーマット

 ・行の高さと列幅、フォント、罫線

 ・数字と背景の色

2.業務効率のためのExcel活用

 ・VLOOKUP関数を使って転記をなくす

 ・ばらばらのファイルを一つにまとめるExcel術

 ・クラウドサービスと組み合わせた事例の紹介

3.売上向上のためのExcel分析

 ・売上に何が関係しているのか

 ・商品の売上を予測する


業務のお困りごとの事例

業務のお困りごとの事例を紹介します。某県の獣医師会から相談を受けました。某県の獣医師会には、県内の80数名の獣医師が実施した予防注射の実施報告書が手書きで送られてきます。これをExcelシートに転記し、県への提出書類を作成するのですが、転記したExcelシートから更に必要データを転記して作成しています。これらの業務は、1人の専従事務局員が行っています。この業務は非効率な作業のため、多くの時間がとられ、大きなお困りごとになっています。という現状を改善するため、解決のアドバイスをいただきたいとの相談でした。このお困りごとを解決すべく、予防接種の実施情報はWebから入力してもらうこと。最終の報告書作成まで、手書きによる転記をやめること。月次集計などの定例処理を自動化すること。これにより作業効率を改善し、実施報告書の作成時間の短縮と転記ミスの防止を実現する。これらの作業効率改善には大きなIT投資を必要としません。少々の費用はかかりますが、Excelの活用(関数とマクロ)とマイクロソフトの無料クラウドOneNoteを活用して解決を図るのです。


3つの「活用を考える」

中小・零細企業のIT活用には下記の3つの「活用を考える」が重要だと思っています。

1.ホームページ、特に無料サービスJimdoの活用を考える

2.身近なソフトウエア、特にExcelの活用を考える

3.クラウド・サービス、特にGoogleDocs、OneNote、Dropbox等の無料サービスの活用を考える

その中でも、人材不足や資金の面で劣る中小・零細企業には「Excelの活用を考える」は大きな効果があると信じています。是非、チャレンジしてください。