世界に冠たる中小企業
日本の中小企業の数は約385万社、全企業数の99.7%を占めています。その内製造業は約22万社あり、日本のモノづくり産業を支えています。これらの中小製造業の中で、日本が誇る中小企業24社を紹介した本、『世界に冠たる中小企業』(黒崎 誠著)があります。24社をブログにまとめてみました。
1.「伝統技術」を活かして世界を統べる
・他の追従を許さない切れ味 株式会社マルト長谷川工作所
・世界シェア70%の中小企業 株式会社ヤナギヤ
・創業400年 阿波スピンドル株式会社
・売上の八割が海外 ユミックス株式会社
・七つの世界一を持つ KTX株式会社
2.「専門分野に特化」が成功のカギ
・在庫はムダでなく財産 東海バネ工業株式会社
・本物にこだわり 株式会社東光舎
・営業部隊はいらない 武州工業株式会社
・マザーマシーンで世界を制覇 ホンママシナリー株式会社
・超高精度の工作機械 安田工業株式会社
・研究者のための実験装置 北野精機株式会社
・米国シェア85% 株式会社アールエフ
・ピンボケの悩み解消 株式会社エリオニクス
・ミクロン単位の研磨技術 株式会社ティ・ディ・シー
4.大手が参入できない「ニッチ市場」を制す
・なぜエレベータはピタリと止まるのか 株式会社メトロール
・ドライフラワーからブリザードフラワーへ 株式会社大地農園
・国際基準の測定に採用される ニッコーム株式会社
・大企業並みの研究水準 湖北工業株式会社
・世界の自動車生産に欠かせない存在 オハラ樹脂工業株式会社
・わが社の製品はノウハウの塊 秩父電子株式会社
5.ノウハウを活かした「業態変換」で勝つ
・大手メーカーにも真似できない技術とノウハウ 株式会社アンテックス
・コスト高を防ぎ競争力を高めるために 株式会社高林製作所
・東レの炭素繊維に匹敵する有望株 株式会社東南精機
・グローバルニッチトップを目指す シグマ株式会社
織りと編み、西陣織製造業の革新
一般的に私たちが身に着ける衣服(洋服、着物など)の布地は織物か編物、どちらかです。もう少し詳しく説明すると、織物はたて糸とよこ糸を相互に一定角度で直線状に交錯させて布地としたものです。織物としては、京都の西陣織が有名です。これに対し、編物は、1本又は2本以上の編糸でループ(loop)をつくり、これに連ねて新しいループを連続的に作って布地を編成するものをいいいます。通常、ニットと言われています。私の次女は京都の西陣織メーカーに嫁ぎました。着物の需要が減少していく中、淘汰されず生き残り、頑張っている中小製造業です。専務である娘婿は今、ものづくりの革新に取り込んでいます。国の「ものづくり・商業・サービス革新補助金」を活用してニットマシンを導入し、西陣織の伝統を受け継ぎながら、織物にとらわれない革新的な商品の開発に一歩踏み出したようです。
リスクをとって革新するには
『世界に冠たる中小企業』を読むと、世界に冠たる中小企業24社の多くはリーマンショックの厳しい時代を歯を食いしばって乗り越え、リスクをとりながら世界に通用する技術や商品を生み出してきています。背中を押してくれたのは、国の中小企業支援策であり、あるいは大学・研究機関との連携です。現在、国の「ものづくり・商業・サービス革新補助金」が5月8日まで公募されています。中小製造業にとっては、活用しない手はない、助成制度です。
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