上手く聞けるようになるには・・・

ベストセラーの所以

”きく”を漢字変換すると「聴く」、「聞く」、「訊く」など、同じ”きく”でも意味合いの異なった漢字に変換されます。「聴く」は心を集中して傾聴する、「聞く」は耳から自然に感じ取る・知る、そして「訊く」は誰かにわかないことを質問する、という意味で使われます。もう少し、うなづいたりして聞く態度を示してやれば喧嘩にならなかった。もう少し、気持ちを込めて聞いてやればこんな気まずい関係にはならなかった。もう少し上手く聞き出せれば、こんなトラブルにならなかった。家で、知人友人との関係の中で、仕事で聞くことの大事さを実感している方は多いと思います。聞くことは話すことより難しい、とよく言われます。『聞く力』(阿川佐和子著)がベストセラーになる所以でしょう。「相づちはとても大事」、「質問項目に縛られず、相手の話に集中したほうが次の質問が浮かんでうまくいくよ」、「あなたの話をしっかり聞いていますよ、という態度で臨むことが、会話の基本です」。阿川さんの言葉です。


聞くことの難しい事例の1

家内と喧嘩になる一つの原因は、相手の話(家内の話)を聞かないことです。自分では聞いているつもりでも、阿川佐和子さん流に言えば、「あなたの話をしっかり聞いていますよ」という態度が相手に伝わらなくて、怒らせてしまう。後で反省すれば、うなづくとか何かのストロークを返すとか、少しの努力が足りないことに気づきます。


聞くことの難しい事例2

一方、仕事で訊く立場になったとき、質問するのって、案外難しいことです。お客様への初回訪問では、お客様のことを出来るだけ多く訊き、知らなければなりません。お客様の困っていること、お客様の本当の要望、競合はどれだけ食い込んでいるのか、案件の予算などなど、知りたいことをそのまま聞けば、ちゃんと答えが返ってくるかというと、実際にはそうではありません。ここが聞くことの難しいところです。


上手く聞くための訓練

怒りの感情が湧いてきたら6秒待ち冷静になる。相手の気持ちになって会話する。文脈を共有しながら対話する雰囲気を作る。単純な質問だけでなく、仮説をぶつける形式で質問する。上手く聞けるようになるには、テクニックだけでなく精神的な面も含め、訓練が必要だと感じています。