セカンドキャリアへの備えとは?

IT経営カンファランス

今年2月18日、私が所属するNPO法人石川県情報化支援協会が主催、特定非営利活動法人ITコーディネータ協会が共催して「IT経営カンファレンス 2014 in 金沢」を開催します。テーマは、どのように実現するのかクラウド時代のIT経営です。テーマの趣旨は、ユーザ企業、県内支援機関、ITベンダーから聞く経営課題の解決と企業成長のための勘所、としています。このイベントをとおして、中小企業のIT経営を支援するメインプレーヤーとしてITコーディネータを知ってもらうこと、カンファレンスのもう一つの目的でもあります。


ITコーディネータ(ITC)という資格

ITコーディネータ資格が誕生したのは、13年前。中小企業のIT利活用をとおして企業成長を支援・コンサルする、経産省が推進している、資格です。コンサルは、企業の問題をあぶり出し、改善策を提案するスタイルが多い中、ITCのスタイルは、少し、異なります。ITCのバイブルであるるPGL(プロセスガイドライン)にもとづき、企業自らが企業のあるべき姿を設定し、課題を見つけて、解決・実現できるよう支援する。このスタイルは、企業と伴走し、気づきを引き出すコンサルスタイルとも言われています。現在、6,500名程度が資格を保有するまでになりましたが、いろいろ問題も浮かび上がっています。まだ日が浅い資格ということもあり、認知度が高くないこと。この資格だけで、自立できている人が少ないこと。資格者の約7割から8割を占める企業内ITCは、会社の業務に活かしきれていないこと等です。


セカンドキャリア支援プログラム

ITC資格制度の発足と同時に、東京に特定非営利活動法人ITコーディネータ協

会が設立されました。協会は、ITコーディネータの資質向上と活躍の場の拡大を目指し以下の4つの活動を行っています。

・ITコーディネータの育成事業

・ITコーディネータの資格認定事業

・情報化投資に関する研究開発事業

・情報化投資に関する普及・啓蒙活動

私は今年から、当協会の理事として、事業の企画を検討する委員会活動に参加

しています。その中で、ITC資格を活かしきれていない企業内ITCのためのセカンドキャリア支援プログラムが討議されています。退職後は、企業向けビジネスに必要なスキルを磨き、引き続き勤務したい(再雇用)。新たに地域の企業で働けるようなスキルを磨きたい(転社)。ITCとして独立して企業を支援する立場の仕事をしたい(独立)。これらの要望に応えるための、役職定年や退職後の新たなキャリアの準備に向けた支援プログラムです。


中小企業を知る

前述したITCの問題解決には、二つの課題が考えられます。一つは、ITC資格で稼げるためのロールモデルを作ることです。そしてロールモデルの実像を広報し、ITCの認知度を高めていく。もう一つは、企業内ITCに対するセカンドキャリア支援プログラムの提供と活用です。企業、特に中堅・大企業には、50歳~55歳で役職定年制があります。対象となる管理職の社員は、選択を迫られます。役職定年を受け入れて、ラインの長からスタッフ職を続けるか、それとも長年のサラリーマンとしてのキャリアを活かし、第2の人生に踏み出すか。どちらを選択したとしても、生き生きと長く働くためには、企業在職中にセカンドキャリアのための準備をしておく必要があります。特にITCの資格を活かして独立し、第2の人生に踏み出す場合には、これまで対象としてきた顧客が大きく変わることを自覚しなければなりません。中堅・大企業から中小企業へ、です。中小企業を知るためには、いろいろな方法があります。しかし最も効果的なのは、できるだけ多くの中小企業の社長と会い、話しを聞くことです。その場の一つが、2月18日の「IT経営カンファレンス 2014 in 金沢」です。是非多くの企業内ITCの参加を期待しているところです。