データの見えざる手に従い・・・

ビックデータの解析

『データの見えざる手』(矢野和男著)、すごく面白い本が出版されました。著者は日立製作所中央研究所に勤務する研究者。手首に巻いたリスト型ウエラブルセンサーや首にぶら下げたカード型ウエラブルセンサーから、手の動きや会った人など、人間の行動を8年間にわたって日々のデータを取得し、これらのビックデータの解析から得られた知見をまとめたものです。


世の中の法則が変わる研究

人の行動は自分でコントロール可能か。人の幸福度はどのような行動で大きくすることが出来るのか。人間の運は天まかせか、それとも引き寄せることが可能か。これらのテーマは、私たちにとって非常に興味あるテーマです。著者は、ウエラブルセンサーから得られたビックデータの解析により、これらのテーマに対する答えを明らかにしています。著者の深く、幅広い研究成果は世の中の法則を変える可能性があります。


ソーシャルグラフ

Facebookは友だちのつながりによる情報共有サイトとして、友だちから得られる情報や友だちの友だちから得られる情報によって、困った問題を解決することができることから、多くの人が活用しています。Facebookで自分がどんな人とつながっているかは、ソウシャルグラフを描くと、知ることが出来ます。一方ビジネスにおいては、首にぶら下げたカード型ウエラブルセンサーをつけた人同士の日常の会話で得られたデータの解析により、リアルのソーシャルグラフを描くことが出来ます。このソーシャルグラフから、運を引き寄せることが可能とする人間の行動パターンが見えてくるのです。


運はどのようにして引き寄せるか

運は偶然か必然か。運は天まかせ。運は引き寄せるもの。運も実力のうち。運については、人様々な想いがあるようです。著者は自身の研究成果により、「運は人との出会いによってもたらされる」と結論づけています。そして、運を確率的に起こる好ましい出来事と定義すると、ビジネスにおいては運は自分が必要とする知識や情報を力を持っている人に出会うこと、と定義づけしています。人との出会いによって運を引き寄せたアップル社を創り上げたジョブス。彼はアップル社を追われた失意のとき、ノーベル賞受賞者でもあるバーグ教授と出会い、バーグ教授との会話からワークステーションネクスト社を創業を思いつき、アップル社の経営に戻る機会を得た。そして、その後のアップル社の快進撃につながったと。直接の友だちや、友だちの友だちとの出会いとそときの会話から、運は引き寄せることが出来る。私のこれまでの人生を振り返ると、すごく納得できます。データの見えざる手に従い、これからも人とのつ

ながりを大事にし、人との会話から運を引き寄せる気づきを得たい・・・。お薦めの本です。