変わらなければ成功も幸せもない・・・

AERA最新号(2014年9月8日号)の特集は、変わらなければ成功も幸せもない、でした。特集の中で、秋に上場を目指すリクルートが大きく取り上げられています。これまで、数々の経営者を生み出してきた企業・リクルート。若きベンチャー経営者たちを生み出す背景には、変化を活かす社風があります。創業者である江副氏が文字として残し、社訓となっているのは、「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」です。リクルートに入社すると、仕事の成果を問われるよりも、しつこいくらい「君は何を変えようとしている」と問われるそうです。「変わること」は、リクルートのキーワードなのです。

 

 安部総理の掲げるアベノミクス。企業が変革し、稼ぐ力をつけてグローバルに戦える国にしなければ、日本の将来に幸せはない。変わなければ幸せにならない、AERA特集記事のキャッチと同じ響きがします。今や変わること、変革、イノベーションは時代のキーワードになっています。企業が変わるためには、人が変わることが前提です。人が変わるとは、人が入れ替わるのではなく、人の意識、行動が変わるということです。しかし「変えよう、変わろう」、掛け声は大きくとも、簡単にはそうならないのが現実です。特に人の意識や行動は、とてつもなく大きな力が働かない限り、変わることは難しい。

 

 「今年はもっとビジネス志向になろうよ、と方向性を確認したはずではなかったのか。過去の慣例、決め事にこだわった会の運営では、いつまでたっても現状を変えることはできない!」。 先日開催された某会で、声を荒げた私の発言です。某会とは石川県のITコーディネータ(ITC)で組織しているNPO法人石川県情報化支援協会のことです。年2万円の会費を払い会員となっている価値は何だろうか。自ら積極的に会費に見合う活動をすることであり、活動できる会であること。会費に見合う活動とはITCとしての実践力をつける活動であり、ビジネスにつながる活動であるはずです。では実践力をつける、ビジネスにつながる活動の対象は誰か。それはユーザ企業です。ユーザ企業との接点を多くし、ユーザ企業とのビジネス機会を創出する。ITC向けの勉強会セミナーをオープンにし、ユーザ企業が参加しやすいようにする。セミナー受講料は無料にしてなるべく多くのユーザ企業に参加してもらう。しかし、これまでの慣例(会員以外は有料)や会費を払っている会員としての特典にこだわると、今年の会の方向性(ビジネス志向)とはかい離した事業の在り方に戻ってしまう。

 

 人は組織の中にいると、組織の運営を変えてほしくない、人と人との調和を図って、関係者とは波風立てたくない、決めごとは守って欲しいと願う。自らは、これまでの仕事のやり方を変えたくない、自分の得意とする領域を侵されたくない、と思う。私を含めて、多くの人はこのように保守的なんだと思います。NPO法人石川県情報化支援協会で前向きな発言をした私も、実は非常に保守的な人間だなと思うことがあります。しかし、人は目標を持つと、何かを変えようとし、前向きな意識や行動をするものです。後期高齢者になっても現役で仕事をしたい、この目標(とてつもなく大きな力?)を達成するためには、やはり自分が変わらなければ出来ないことです。生来の性格や思考を封じ込めてでも、意識は変えよう、そうすれば行動も変わるだろう。最近、思うことです。