思い込みを外してセンスを磨く

当たり前のことですが、私たちは自分の周りの環境に影響を受けながら、自分の世界を作り、人間としての大きさ、枠組みが決まります。そして周囲の環境は、日常的に私たちが抱く思い込みで大きく変わってきます。思い込みが、私たちの世界を自ら狭くもし、加齢とともに頑固になる所以でもあります。

 

 ショートカットのルートを調べて効率よく目的地へ行く。興味のない本、仕事に役に立たない本は読まない。自分と考え方や価値観が全く違う人とは、話が合わないから、付き合わない。飲み会では、いつも飲む酒には拘り、種類、銘柄を決めている。これらは、私たちが日常的に行っている行動パターンですね。自分の枠組みに縛られた、これも一種の思い込みかも知れません。

 

 10年ほど前、あることがキッカケで車を運転しない決断をしました。これから先、車を運転しないことの不便さを我慢できるだろうか。覚悟を試しながらも、私の中にあった思い込みに挑戦してみようと思ったのです。その思い込みとは、「公共交通機関の発達していない地方では、車を自分で運転しないと、車を運転できないと仕事や生活に困る」です。今は、思い込みであったことを実感しています。そして不便さ以上に、車を運転しないことで得られたメリットも多々あります。公共交通機関で移動すると、車外から見える街の風景、乗り合わせたいろいろな人の情報(表情、服装、仕草など)を得ることができます。そして何よりよいのは、本が読めることです。必然的に歩くことや自転車に乗ることが多くなり、健康維持になっています。家計の負担が少なくなり、家内から感謝されています、等々、いままでの私の世界、枠組みが大きく広がった気がします。

 

 センスのある人は服装もおしゃれですが、仕事もできる人が多いような気がします。仕事をしている人は誰しも、売れる商品を開発したい、効率よく仕事ができるようになりたい、売上を上げ実績を最大化したい、と思っているはずです。そのためにはセンスが必要なんです。「センスを磨く方法は、知識を集積することと客観的になること。不勉強と思い込みはセンスアップの敵です。思い込みを外す方法は、いつもと違うことをしてみること」。『センスは知識からはじまる』の中で、著者水野学さんが言っていることです。センスがある人、センスがよい人は自分の世界、枠組みが大きい人です。普通を知り、よいモノとよくないモノとの見極めができるセンスは、知識の集積と客観的になることで磨かれる。頑固親父にならず、センスある親父になるためにも、私の中の思い込みを、一つ一つ外してみよう! いつもと違ったことをすることによって。