諦めない・・・

先週は、3月期決算企業の株主総会が集中する時期でした。私が会員となっている特定非営利活動法人ITコーディネータ協会の株主総会にあたる定期総会も24日に開催されました。その後に引き続き行われる理事会に出席するのが目的ですが、ついでにと言ったら語弊がありますが、総会もオブザーバーとして議事内容を傍聴することにしました。

 

 最近の株主総会が昔のようにシャンシャンで終わらないのと同じように、当ITコーディネータ協会の総会も、そうでした。議決権を持つ数人の運営会員から事業報告と事業計画に対して厳しい意見が。これは、ITコーディネータ協会の運営への批判のようですが、見方を変えれば、ITコーディネータ協会への苛立ちと叱咤激励とも聞こえます。モノ言う人は何らかの期待をしている、諦めたら、何も言わなくなる。

 

 事業計画の中に、ITコーディネータ(ITC)の認知度を向上させる施策があります。一つには、ITC予備軍ともいうべき人に対してITC資格の広報と誘導を行い、ITC資格者を増やすというものです。これにより、ITコーディネータの運営基盤を強化するという意味合いもあるのですが、ITC認知度向上のためには重要な施策です。理事者から具体的な実施項目の説明がありました。IPAが国家資格の一つとしているITパスポート試験の高得点者(700点以上)をITC試験を優遇(100問中40問を免除)してITC資格取得へ誘導する、というものです。この施策に、幾人かの運営委員から反発の声が挙がったのです。曰く「ITパスポート試験合格者がITCになっても我々ITCと同じ仕事はできない! そもそもITパスポートとITC試験とは内容、質の深さも異なる!」。

 

 今年からITコーディネータ協会は、現場でITC活動を実践し、地方の組織を代表して現場のITCの声を施策に反映できるよう、ITCを理事に新任することになりました。全国のITCの中から2名、ITC理事が新任され、私がその中の一人となりました。総会での運営委員の発言から見えてくるように、ITCという資格にはプライドを持っている。しかし、プライドだけでは、自立して食っていけない。協会なんとかしてよ!とまでは言わないまでも、ITCが実践力をつけ、自立できるよう中小企業支援の場つくりや認知度広報、支援ツールの開発など、協会に多くのことを期待しているのは間違いありません。新任理事として、地方の自立に躊躇しているITC、自立しても苦しいITC、協会を諦めかけているITC、逆に自立して頑張っているITCの声を少しでもITコーディネータ協会の施策に反映していきたいと願っているところです。