人や組織が変われない理由とは?

年初の日本経済新聞土曜版(NIKKEIプラス1)何でもランキングは、今年の抱負を四字熟語で表す、です。その中にランキングされていた二つの四字熟語、「長所優先」と「活私奉公」。一つ目の「長所優先」は、短所に目が行きがちだが、どんなときでも良い所だけ見てプラス思考で過ごす。二つ目の「活私奉公」は、生活を楽しみ、自分を活かしながら働くに限る。この二つの四字熟語、これからの私にとって、ありたい姿でもあります。

 

 東京都都知事選挙の争点となろうとしている脱原発。原子力発電の切り札とされている高速増殖炉「もんじゅ」が福井県の敦賀市にあります。この「もんじゅ」はこれまで周囲の住民を脅かす重大な問題を起こしてきました。この「もんじゅ」を運転し、日本の原子力研究を行っている独立行政法人日本原子力研究開発機構の理事長は、改革の決意をWeb上に掲載しています。「・・・原子力機構が今、取り組んでいる大きな課題が、東京電力福島第一原子力発電所の事故への対応です。もう一つの課題が原子力機構自身の改革です・・・」。そして福井県の西川知事に対しても「・・・職員の意識改革を強力に推進し・・・」と。果たして職員の意識が変わり、組織の改革ができるだろうか。はなはだ疑問です。

 

 『なぜ人と組織は変われないのか?』(ロバート・キーガン著)、昨年の10月に出版された本です。必要だと思っていても、85%の人は行動すら起こさない。これはどうしてだろう?この疑問を人間の持つ免疫機能に焦点を当て、改善目標と阻害行動、裏の目標という三つの大きな枠(著書では免疫マップ)に向き合いながら、自分を変える道筋を示そうとしています。これまでの古い常識「大人になると脳の成長は止まる」から「大人の脳はいつまでも成長し、知性は発達する」。知性は、環境順応型知性から自己主導型知性へ、そして自己変容型知性へとステージを変え発達する。著者は、知性のレベルを高め、思考様式を変容させる自己変容型知性に到達することにより、技術的な課題から適応を要する課題に対応できる、としています。 

 

 変わるのは難しい!しかし人間はいくつになっても知性は発達するのだから、思考の方法により、変わることは出来る。こんなことを想いながら、年初の日本経済新聞土曜版(NIKKEIプラス1)何でもランキングから、二つの四字熟語、「長所優先」と「活私奉公」を私にとっての今年の抱負にしたいと思っています。少しでも世の中の、周りの変化に対応できるように・・・。