「食の国」のブランディング

福井県のアンテナショップ「食の國 福井館」が銀座1丁目にあります。昨日この店を見つけ、仕事で訪問するお客様へのお土産に、「水ようかん」と「五月ヶ瀨」を買いました。地元で買って、お土産を持ちながら歩くのは結構大変のので、必要な時に買えるのは、出張時には大変助かります。昨日、Facebookにこのように投稿したところ、「私は大変でも出来るだけ福井から持参してます!出張族が皆それをしてアンテナショップの在庫が無くなったら、福井に来れない肝心の現地ファンが買えなくなるからです」とのコメントが返ってきました。

 

 和食がユネスコの無形文化遺産に登録されました。日本が誇れる和食、京料理や加賀料理としてブランド化されている京都や金沢は、さらにブランド化に弾みがつくでしょう。しかしこれらの和食も素材あってのものです。私の住む街福井県では、全国に誇れる「福井料理」の確立に向け、県内の民間会社が立ち上がりました。県内6社による「福井ガストロノミー協会」です。優れた素材と食の国としての歴史を持ちながら、「福井料理」は全国的に知られていない。知る人のみ知る。この「福井料理」をいかに全国的に発信していくか。福井ガストロノミー協会は、福井の食材を生かした料理を開発・発信して近隣の加賀料理などに負けない福井料理の確立を目指し、2015年春の北陸新幹線金沢開業による福井県への観光誘客につなげようとしています。福井の料理は伝統的に昆布出汁(だし)を多用するのが特徴です。この昆布出汁(だし)は世界唯一の植物性の出汁(だし)であり、若狭地方敦賀の昆布を使います。協会では、「福井料理は昆布出汁と越前がになどの県産食材を使うことを軸に開発・研究を進める」と。

 

 古来福井県の若狭地方は、御食国(みけつくに)として古代から平安時代まで、皇室・朝廷に昆布を中心とした海水産物を貢いだとされています。全国的には、若狭国(若狭地方)の他に、志摩国、淡路国などが御食国(みけつくに)としての役割を果たしていたようです。若狭国(小浜藩領内)から京都へ主に魚介類を運搬するための物流ルートとしての街道を、魚介類の中でも特に鯖が多かったことから、近年になって鯖街道と名付けられました。この鯖街道沿いのお店では、味絶品の鯖寿司、焼き鯖、鯖のへしこなどを食することができます。

 

 福井駅西口再開発ビルを中心とした福井市の西口再開発事業は、平成28年3月の完成を目指して工事が進められています。西口駅前広場については、県も県都のにぎわいづくりのため、福井らしさを感じることができる恐竜モニュメントの設置などを市に求めながら、市に協力する形で必要な支援をする、と表明しています。福井市の西口再開発事業の完成(平成28年3月)1年前には、すでに金沢まで新幹線が来ています。福井まで足を延ばしてもらうには、福井でしか味わえない食のPRを強力に推進する必要があります。「食の国 福井」、「御食国」、「皇室献上昆布による出汁で作る福井料理」、「鯖寿司、焼き鯖、鯖のへしこ」は福井県が全国的に誇れる大きなブランドであるはずです。”恐竜を見に行きたい福井”もいいですが、”美味しい和食を食べに行きたい食の国 福井”を来年のJRデスティネーション・キャンペーンのキャッチコピーにしたらどうだろうか。