キーワードは経営者の本気度

KDDIコミュニケーションズの高畑さんがドイツのオンラインホームページサービス(これをクラウドサービスとも言います)「Jimdo」を日本に導入したのが2008年。それから3年後の2011年9月、Googleが中心となり、「Jimdo」をベースとした「みんなのビジネスオンライン(みんビズ)」を立ち上げました。多くの中小零細企業が導入し、安価で簡単に作成できるホームページサービスのブームが起きました。私もITコーディネータ(ITC)として中小企業のIT化のキッカケになればとの思いから、多くのユーザ企業に導入支援を行ってきました。その数、32事業所。しかし、今現在もホームページの更新を続け、経営に活用しているのは、10社に満たないのが現状です。これはどうしてでしょうか?

 

 北海道で活躍しているITコーディネータ(ITC)仲間に阿部祐樹さんという方がいます。先月『はじめようWeb経営 五感をくすぐるホームページの考え方』を中央経済社から出版しました。中小企業のIT経営を支援する同じITCとして、本に書かれてある内容には、共感する部分が非常に多く、中小企業の経営者には是非とも読んで欲しい本です。

 

 阿部さんの本は、「あなたの会社に経営戦略はありますか?」で始まっています。面と向かって経営戦略お持ちですか?と聞かれれば、強がって「経営をやったことの無いものが、何を生意気なことを言うのか(口で言わなくとも顔がそう言っている)」から「もちろんあるさ」、「そんなものないよ」、「必要を感じない」まで、いろいろな答が返ってきます。しかし、多くの場合経営者は、常日頃、経営戦略に近いものを考えているのです。ただ、頭の中での考えに留まっているため整理されず、しかも漠然としたものです。

 

 経営戦略はホームページを核としたWeb経営には必須の要件です。逆の言い方をすれば、ホームページは経営戦略を具現化したものです。経営とは、経営のあるべき姿(目標)を明確にし、お客様は誰かを真剣に考え、商品・サービス力を高める。「ホームページは経営そのもの」阿部さんの言葉ですが、まさにホームページの活用に本気になった経営者のみ、ホームページの経営効果を享受できるのでしょう。キーワードは経営者の本気度・・・。