素直さと前向きな意欲は、就業に向けたcsf

国が推進しているジョブカード制度というのがあります。これは、正社員経験が少ない求職者が、常用雇用を目指して就職活動やキャリア形成に活用する制度です。職業訓練を受講すると、学歴や職務経歴、取得資格等を記載した「ジョブ・カード(履歴シート、職歴シート)」によるキャリアコンサルティングを通して、訓練終了後には訓練の評価結果である評価シートの交付を受けます。この評価シート(これもジョブカード)を、就職活動やキャリア形成に活用することができます。

 

 現在弊社では、県の委託をうけて離職者向けの職業訓練を実施しています。訓練科目は、「OA基礎科」。企業のオフイスワークでは必須となっているパソコンの操作技能を習得することを目的としています。当然ながら、就業に必要なビジネススキルやビジネスマナーも含まれています。訓練が終わるころには、就業に向けジョブカードによるキャリアコンサルティングを受けることになっています。

 

 ジョブカード(評価シート)を持って面接に来た求職者は、企業にとって、わかることが多いのです。一つは、求職者の仕事に対する意欲です。求職者は、ジョブカード作成過程でキャリアコンサルティングを受けていますので、自分の強み・能力(アピールポイント)や仕事の目標・希望が明確になっています。二つ目は、キャリアコンサルタントのコメントによってわかることです。評価シートには仕事の経験、訓練から得た強み、訓練への取り組み姿勢、就業に向けた意欲等がコメントとして書かれているからです。三つ目は、企業が求める職業能力を持っているか判断する際の参考になります。職業訓練で身に付けた職務に必要な能力や職業人としての基礎的なビジネススキル、ビジネスマナーなどを評価シートで判断できるのです。

 

 このキャリアコンサルティングは、ジョブカード・キャリアコンサルタントの資格者である私が担当しているのですが、訓練受講者とコンサルをする中で、いろいろ思うことがあります。日本人は自分のことを言葉で、文章で伝えたりして自己をアピールすることが苦手です。そのため、ジョブカード・キャリアコンサルタントは、訓練生が書いたジョブカードをもとに、自分の強みや職務経歴から得られた経験、スキル等を引き出してあげる役割を担っているわけです。しかし上手く引き出してあげられる人、そうでない人がいます。これはコンサルタントの力量の問題が大きいと思いますが、訓練生の性格・資質も影響していると感じます。素直さと前向きな意欲は、自分の良いところを引き出してもらえる、就業に向けての重要成功要因ではないでしょうか。