「脱スマホ」に会社が奨励金・・・

若いカップルがレストランに入ってきた。メニューを見て注文し終えると、二人は注文のモノを待つ間会話をすることもなく、男はポケットからスマホを出してスマホに目を落とす。そのうち女の方も、男からのしゃべりが来ないと思い、同様、スマホをバックから取り出しスマホに見入る。しばらくこんな状況が続く。ときたま、男が自分のスマホを女に見せながら、少しの会話をする。最近、昼食時のレストランで見た光景です。

 

 社員の「脱スマホ」に会社が奨励金 その目的はいったい何なのか(J-CASTニュース 11月3日(日)15時0分配信)。先日Webで発信された記事は、「ドコモからiPhoneが発売されるなどスマートフォンの普及が進むなか、社員の「脱スマホ」のため奨励金を出す企業が現れた。スマホはメールの電話のやりとりはもちろん、PC形式のファイルの送受信もでき、私用のスマートフォンが会社業務に使われるケースも多い。奨励金を出してまでスマートフォンからの切り替えを促すという、時代に逆行しているようにも見えるこの取り組みには、どのような意図があるのか。「脱スマホ」を奨励しているのは、産業機械部品メーカーの岩田製作所(岐阜県・関市)だ。2013年10月25日の岐阜新聞が報じた記事によると、社員の私用携帯電話について、スマートフォンを使わなければ、毎月5000円を支給する「デジタルフリー奨励金」を7月から始めた。同社が脱スマホを推進するのは、社員同士のコミュニケーションを活発化させるのが狙いという。社員90人のうち20人が同制度を利用し、スマートフォンから「ガラケー」に切り替えた営業社員もいる。岐阜新聞の取材に対して岩田修造社長は、「アナログなコミュニケーションの大切さを考えるきっかけになれば」と答えている。「デジタルフリー奨励金」をはじめたのと並行して、昼食時のスマホ利用を「自粛」する取り組みも行っている」。

 

 いわゆるガラケーと呼ばれている従来の携帯電話の多くはスマートフォーンに変わり、片手で操作できる小型パソコンでもあるスマートフォーンは企業の多くの業務に活用され始めています。もう使わずにいられない! タブレット・スマートフォーンが会社を伸ばす。タブレット&スマートフォンは第四のIT革命。場所と操作性のカベを超えたタブレット・スマートフォーンを仕事に使おう!これは私がいろいろな中小企業支援機関(商工会議所、支援センター等)で実施しているタブレット・スマートフォーンを活用した中小企業のIT化セミナーのキャッチコピーです。最近では、コスト削減とスマホの積極的な活用を目的に、使い慣れている個人のスマホを会社の業務にも使うBYOD(Bring Your Own Device)を奨励する企業も現れています。

 

 上記のWeb記事の賛同する意見として、「俺の職場もこうなればいいのに ケータイで遊んでる奴ら多すぎ」、「スマホに機種変更してから同僚との会話がなくなってきました」、「ふと気づいたんですが、スマホに機種変更してから同僚との会話がなくなってきました。昼ご飯を一緒に食べに行ってもスマホ、そのまま休憩時間がおわるまでスマホ」、「食事中や電車乗ってるときまでスマホで、周りを見渡しても同じようにスマホを見ている人ばかり。このような方が増えてきてるのでしょうか?」。私も同様なことを感じます。企業のIT活用、とりわけ最近のタブレット・スマートフォーンを活用したIT化は企業に大きな経営効果をもたらす可能性があります。しかし企業のIT化の経営効果は人、組織と一体となって実現できるものであり、コミュニケーションが上手くとれない人同士の組織では、効果が上がらないのは自明のことです。アナログなコミュニケーション、大事にしたいものです。