三位一体は経営変革のキーワード

今世界で起こっている3つの大きな変化とは? 一つはシェールガス革命、二つ目はグルーバル化、三つ目はIT革命。今更という感じもありますが、どれも私たちの生活に大きな影響を及ぼす、すでに及んでいるものばかりです。シェールガス革命は日本の同盟国である米国にエネルギーの自給自足をもたらし、米国の外交・経済戦略が大きく変わる可能性があります。そして、その影響は少なからず日本にも及んできます。「この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。そうではない。最も頭のいいものか、そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ」。ダーウイーンの進化論の中で語った言葉(実際は元総理小泉純一郎氏の創作?)と言われていますが、企業が生き延びていくには、変化に対応した変革が必要・・・。

 

大きく変化する経営の外部環境、この経営の外部環境に対応して経営を変革しながら経営目標を達成するには、経営の目標を達成するための業務のシステムを変革し、機能させていかなければなりません。業務システムは3つの”ル”、すなわち「人(ロール、役割の実践)」、「組織(ルールの明確化)」、「ITシステム(ツールの活用」が有機的に機能することによって実現します。

 

相次ぐ列車事故を起こしたJR北海道、社員の仕事に対するモチベーションの低さが浮き彫りになっています。朝日新聞デジタル版によると、「JR北海道で、社内ルールや社会の良識を守ることに肯定的な社員の割合が、他の企業より少なかったことが社内アンケートでわかった。相次ぐ不祥事で指摘されている社内のコミュニケーション不足や風通しの悪さも、社員の声から浮き彫りになっている。・・・」。

 

三つ目のIT革命は、1996年頃からのインターネット商用活用から大きく進歩し、ビジネスの世界では顧客といつでもどこでもネットワークで繋がり、情報の共有ができていないと顧客からの満足が得られない時代に入っています。顧客といつでもどこでもネットワークで繋がっている状態は、クラウドシステムやモバイル(スマートフォーン・タブレット)によって可能になりました。神奈川県の老舗旅館「元湯陣屋」がSalesForceのクラウドシステムCRMの導入によって、経営を大きく変革した事例に見られるように、経営を変革していくにはITは大きな力になります。しかし一方では、JR北海道にように経営者の意識と社員のズレが大きく、モチベーションの低下した社員を抱えて、経営改革どころか経営の不祥事を頻発している企業もあります。三つのルを再認識し、見直すことから企業の変革は始まる・・・。ITコーディネータの渡辺和宣さんは、三つのルに業務プロセスを加えて、三味一体の業務システム改革と呼んでいます。