ツールは使いこなしてナンボ・・・

『ビジネスモデル・ジェネレーション(Business Model Generation)』、米国では数年前から出版されており、非常に話題となっています。昨年の2月、この本が『ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書』として和訳出版されました。このときから日本でも企業のイノベーションを発想する実践的なツールとして活用され始めました。このビジネスモデル・ジェネレーションはビジネスモデル・キャンバスというツールを使って、企業のビジネスモデルを着想し、完成させ、評価することができます。企業のビジネスモデルを考える時には、企業が顧客へ提供する価値、提供するためのチャネル、顧客との関係など9つの要素、全てを考える必要があります。ツールとしてのビジネスモデル・キャンバスでは、この9つの要素全てを網羅しています。そしてツールとして画期的なことは、ビジネスモデル・キャンバスを使えば、ビジネスモデルに必要な9つの要素が有機的につながり、1つの要素に変化を与えると、他の8つの要素も変化することが視覚的に分かる点です。


 ITコーディネータ(ITC)の組織である石川県情報化支援協会では偶数月に会員が講師を務める勉強会を行っています。8月は私の担当月です。勉強会のテーマは、「ITCとして積極的に活用したいビジネスモデル・ジェネレーション」。まず初めに、下記のようなビジネスモデル・ジェネレーションの活用シーン事例の話をし、参加者自身でどのような活用があるか考えてもらい、最後は演習と発表をしてもらいました。

活用シーン(1)

・顧客を理解し、顧客のビジネスモデルを提案するツールとして

活用シーン(2)

・営業戦略を考えるモデルとして

活用シーン(3)

 ・ビジネスモデルYou*を作り、中小企業支援機関への提案活動

(*ビジネスモデルYouとは、自分のビジネスモデルのことをいう)


 演習の課題は、「金沢商工会議所へITCとして提案するために、SWOT分析表であなたの強みを認識し、金沢商工会議所への提供価値、ITCとしての主な活動、ITCのリソース、あなたの強み等を考え、ビジネスモデルYouを作成してください」です。この演習では、参加者全員にビジネスモデルYouを考えてもらい、ITCとしてのビジネスモデルYouを演習シートに書いて、ScansnapでPDFにし、プロジェクターに投影して発表です。


 ビジネスは提案してナンボ、と言われます。もちろん提案は相手(企業)に価値あるものであることは当然です。提案によって相手に提供する価値、これを考えることは意外と難しい。自分が出来ることを提案することは容易でも、それによって相手にどんな価値が生まれるのか。ここのところを提案して欲しいだよ、相手が思っていることです。ビジネモデル・キャンパスは価値ある提案をするヒントを与えてくれるツールです。ツールは道具、道具は使いこなしてナンボ。もっともっと勉強してみたい!

*読んでいただいて有難うございました!

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