デジタルとアナログの融合、フォトブック

色あせてしまった写真が貼ってある古いアルバム。最近、ときおり同級生の載った卒業アルバムを見返すことがあります。街で出会って、ふと誰だっけ、名前も呼ばずに会話しながら、家に戻って古いアルバムへ・・・。こんなとき、色あせた古いアルバムは、その当時の懐かしい想い出の世界にタイムスリップさせてくれます。写真がデジタル化し、紙のアルバムに保存しない今、写真の保存や昔の写真を探すのは、悩ましい問題となってきました。保存はデジカメ・スマトーフォーンの中、パソコンの中、インターネットのストレージの中など、いろいろな場所に無秩序に保存してある方が多いでしょう。そして無秩序に保存してあるものは、検索キーワードで見つけ出すしかありません。デジタル世界になった今、アナログの良さを再発見することが多々あります。一つは、デジタル写真のフォトブック化です。


 デジカメやスマートフォーンで撮った写真をアルバムとして印刷製本してくれるフォトブックサービスというのがあります。最近このサービスを無料でやってくれるものが登場しました。「nohana」というフォトブックサービスです。これまで私は、送料込で50ページのフォトブックを作れるTOLOTというフォトブックサービスを利用していました。しかし、無料の「nohara」は 魅力的です。製本サイズは14cm×14cm、厚さは、約4mm、ページ数は28ページ(表紙/タイトル/写真20ページ/奥付/裏表紙)です。月1冊は無料で提供してくれます。2冊目からは、500円(送料90円別途)が必要となります。お盆や正月に帰省する孫たちの写真を撮ったら、1冊は無料で私たちの手元に、もう1冊を孫たちにプレゼントする、こんな使い方が考えられます。


 もう一つ、個性的なフォトブックサービスがあります。Facebookのタイムラインに綴ってきた日々の記録を、フォトブックとして提供するサービスです。元日本マイクロソフト金沢支社長で、ビアズマネージメントの代表取締役中林さんが新規事業として8月から開始するサービス「Lifebook」です。以下は、彼の「Lifebook」に込めたメッセージです。「私たちが考えたコンセプトは見るアルバムから、読むアルバムへ。Facebookにアップロードした写真だけでなく、その時に添えたメッセージ、お友達がくれたコメント、いいね。そう、タイムラインすべてを大切な想い出として、製本してしまうことでした。はじめてサンプル印刷をした時、私たちのコンセプトは間違っていなかったと直感しました。写真アルバムだけでなく、友達との交流そのものが本になる。これまで見たことのない新しいスタイルのフォトブックが完成しました。見るだけだったこれまでのアルバムから、読むアルバムへ。Lifebookはまさにあなた自身を記録する本になるのです」。


 フォトブックはデジタル情報(デジカメで撮った写真)にモノ(アルバム)としての形を与えたものです。スマートフォーンやFacebookなどのSNSが爆発的に普及し、今あらゆる情報がデジタルで保存されつつあります。しかし、そんな時代だからこそ、私たちはあえてデジタル化された情報をカタチにし、想い出として残しておきたい。街で出会って、ふと誰だっけ、名前も呼ばずに会話しながら、家に戻って古いアルバムを見ることができるように。デジタルの良さとアナログの良さとの融合、色あせしないアルバム、フォトルバムは一つの形です。