初期設定にご用心!

インターネット上でメールを共有できるGoogleの無料サービス「グーグルグループ」。先日、個人情報や中央官庁の内部情報など少なくとも6,000件以上が、誰でも閲覧できる状態になっていることが分かり、大きなニュースとなりました。政府の情報セキュリティ担当官は「基本的な情報セキュリティの基本モラルがわかっていない。以後、国の内部情報のやりとりには、Webサービスは使わせない!」と。グーグルグループは、登録者の間で同時にメールを配信できるサービス。ただし、初期設定のままだと閲覧制限がかからないため、気づかないまま情報を誰でも見られる状態になってしまいます。


 インターネット上の無料クラウドサービスやアプリケーション(アプリと略称)を提供しているのは、もちろん、Googleだけではありません。最近ではスマートフォーン(スマフォと略称)上で動かかす無料クラウドサービス、アプリが多くなっています。スマホのうち、Android系端末といわれているものは、アプリをインストールする際に表示される「アクセス許可」を求めるものがあります。過去に発見されたAndroid端末を狙ったウイルスには、個人情報などを不正に盗み取るため、アプリの種類から考えると不自然なアクセス許可をユーザーに求めるものがありました。この「アクセス許可」だけでなく、アプリの使用には、使用許諾の同意を求めるもことが普通になってきています。この「同意」が曲者なのです。


 もう一つ、注意して欲しいのは、無料クラウドサービスLINEの使い方です。「友だち自動追加」や「友だちへの追加を許可」は初期設定では「オン」になっています。初期設定のままLINEを使うと、つながりたくない人と友だちになったり、まったく知らない人とつながってしまいます。LINEの友だちをつなげる仕組みとして、LINEのアカウントを持った人の携帯端末のアドレス帳同士を照合し、マッチした人同士を自動的に選び出し、「友だち」に追加してしまうからです。初期設定の状態では、自分の意思で、この人とつながりたい、ということは出来ないのです。見知らぬ人とつながることが、怖いトラブルに巻き込まれる原因となります。


 ただより怖いものはない!とよく言われます。まさしくインターネットの世界はこのことがよく当てはまります。便利なサービスをただ(無償)で使わせてもらう代償は、私たちの個人情報の提供なのです。楽しいこと、便利なことを一旦手に入れてしまうと、止めることが出来ない。ではどうすればよいのだろうか。どうしても使いたいサービスは、インターネット事業者の都合から自分の都合に初期設定を変更し、個人情報が使われないようにする。同意事項を詳細に読み、自分にとって嫌だと思う個人情報の使われ方をするサービスは使わない。Googleの経営理念は、地球上のあらゆるモノを収集し、検索可能にするです。インターネットの世界では、私たちは丸裸にされているのです。ご用心!ご用心!