突き抜けるには?

「自ら創造し、突きぬける」。昨日、今年で15回を重ねてきた、中古自動車部品の海外輸出を展開する(株)会宝産業の経営方針説明会がありました。この経営方針説明会で近藤社長が話された、会社の今年度のテーマが「自ら創造し、突きぬける」です。ITコーディネータとして、(株)会宝産業のIT化の支援をとおして近藤社長とのお付き合いは10年になります。毎年、この経営方針説明会とその後に行われる講演会、感謝の集いに招待をいただき、参加しています。この会に参加すると、会社と社員の成長をあらためて実感させられます。(株)会宝産業の今年のテーマは、まさに会社の勢いと近藤社長の時代を読む力が見事に表された素晴らしい言葉です。一人一人が創造する力を身に付け、時代が変わるとき、古い時代を突き抜ける。


  今年の講演会の講師は神田昌典氏。多くの信奉者を持つ、日本のマーケティングの第一人者です。神田さんの著書『2022―これから10年、活躍できる人の条件』で次のような予言っぽい言い方で未来を予測しています。あと数年で会社はなくなる。中国は2025年まで発展、日本は2020年以降、崖から転がるように落ち込む。客観的にみれば、日本を取り囲む状況は、真っ暗。にもかかわらず、これからの日本は、チャンスに溢れている。しかし、それは今希望を描き、行動を起こすことを選んだ人のみ。つまり、今この瞬間のあなたの選択こそが、これから10年、活躍できるか、後悔する人生を送るかのターニングポイントなのだ。「これからの10年はどうなる?」。「日本人だけがつかめるチャンスとは?」。「若手ビジネスパーソンが今、すべきこととは?」。「30代・40代の役割とは?」。答えはすべて、本書の中にある! (Amazonの著作内容から引用)


 講演では、「日本は2020年以降、崖から転がるように落ち込む」ということを70年次世代サイクルの視点で、その理由を説明していました。戦後の1945年を起点とした70年サイクル。1945年~1062年、戦後の日本をどのように創っていけばよいのか、”創る人”の時代。1963年~1979年、もはや戦後ではない時代、いかに経済を拡大していけばよいのか、”拡げる人”の時代。1980年~1997年、モノやサービスの付加価値をどのようにして上げていけばよいのか、”良くする人”の時代。1998年~2014年、次の70年サイクルを見据えて、既存の事業を破壊し、どのようにして新しいものを創造していけばよいのか、”考える人”の時代。最も高齢化が進んだ日本の人口構成から考えると、団塊ジュニアが最も消費する年代(40歳代)は2020年でピークとなり、それ以降は急降下する。このことは2015年から始まる次のサイクルは、アジアビジネス共創時代になっていく。


 神田さんの講演を聞きながら、思いを巡らしました。2015年以降、次の70年サイクルを見据え、海外(アジア、アフリカ、中南米等)でのビジネス展開を加速している(株)会宝産業。近藤社長の時代の変化と先を読む力。(株)会宝産業は、独自に作った中古自動車エンジンの品質標準規格、JRS(Japan Reuse Standard)のISO化を目指し、前段階のPAS777を取得しようとしています。ISO規格取得により、新しいビジネスへの大きな潮流を創りだし、海外バイヤーによる古い中古自動車部品ビジネスから「突き抜ける」。翻って、私のビジネスを「突き抜ける」には? 時代の変化を読み、先取りする”創造する”人になることでしょうか。