60歳以降、中高年が生き生き働くためには

昨日、金沢で実施したITコーディネータ資格認定用ケース研修、最後に特別課題のグループ演習とプレゼンをしてもらい、6日間の集合研修を終了しました。あとは、レポート課題の提出とアンケートへの回答を行い、晴れて今回の受講生(試験は合格済)はITコーディネータに認定されます。ケース研修で身につけたIT経営を実現するITコーディネータプロセスや知識、プロセスを実践するフレームワークを会社の業務に活かして欲しいと願っています。今は、インストラクターとして多少の疲れも感じながらも、やり終えた満安堵感に浸っているところです。


 「60歳以降も活躍へ。50代の心得、プライド捨て専門知識を磨く」。1月29日付けの日本経済新聞、60歳以降も会社で活躍するための50代で何をすべきか。記事によると、高年齢者雇用安定法が改正され、今年4月以降順次、65歳までの継続雇用が企業に義務付けら、60歳以降も会社で働き続けられる時代がやってくる。しかし60歳以降、会社で生き生き働き続けられるためには、課題もある。本人の意識改革や会社で活かせる専門知識をスキルアップすること。50代での備えが重要であると。

 経済産業省は昨年、次世代高度IT人材像について、産業構造審議会情報経済分科会において下記のような報告書をまとめ、公開しています。「従来のITが既存の産業のビジネスの効率化を主に追求してきたのに対し、最近では、電力とITの融合によるスマートグリットなどに見られるように、ITはIT関連産業の枠を超え、他産業・分野との融合によってイノベーションを起こし、新たなサービスを創造する役割を担いつつある。このような異分野とITの融合領域においてイノベーションを創出し、新たな製品やサービスを自ら生み出すことができる人材=「次世代高度IT人材」を育成することが喫緊の課題となっている」。

そして、中高年技術者の活用として、「・・・情報サービス業従業者の高年齢化が進んでいる中、今後、成熟期を迎える情報サービス業の中において、新たな事業・価値(サービス)の創造を図るというIT融合において、高度IT技術を有する中高年技術者をどのように活用するかも重要な課題である。中高年技術者の活用には、中高年技術者の流動化、若年技術者の教育・交流、ユーザー技術者との交流、初中等教育との連携によるITリテラシーの向上などについても課題となっており、これらの課題ともあわせ検討していくことが必要である」。

そして中高年IT技術者が次世代高度IT人材へ転換していくには、「まず、中高年技術者が自ら新たな事業・価値(サービス)を創造できる人材になることである。高度IT技術者としてのスキル、経験を元に次世代高度IT技術者の人材像をよく理解し、自らがその人材に近づくために新たな知識・技能を身につけるよう自己研磨し、新たな峰を追求することである」。そのためには、「次世代高度IT人材が新たな事業を創出のために経営とIT双方の領域に長けた知識・技能が求められるが、経営からITまでの幅広い知識を身につけているという意味で、ITコーディネータは、尐なくともその要素の一部を備えていると考えられる。もちろん現在のITコーディネータが会得している知識等に加え、事業を創造するための知識やイノベーションを起こすに必要な知識・技能などを更に獲得しなければならないのは言うまでもないが、そうした必要な知識・技能を身につけた場合に即戦力として、幅広い活躍が期待できる」。


 55歳にITコーディネータ資格を取得しました。今年4月には68歳になる私にとって、生き生きと働き続けるための資格になっています。次世代高度IT人材として企業のIT経営支援するため、常に自己研鑽とスキルアップを求められるITコーディネータ。昨日ケース研修を終えた受講生、今は若いIT技術者(システムエンジニアや営業)として、会社に貢献していることでしょうが、中高年になっても、生き生き働くことができる人材になっているためには課題の実現が必要です。その課題とは、ITコーディネータ資格を業務にも活用し、新たな知識やスキルを蓄積していくことです。私がITコーディネータのロールモデルとしているのは今年70歳になった田中渉さんです。60歳以降、70歳を超えても現役ITコーディネータとしてバリバリで活躍しています。ITコーディネータ資格は素晴らしい。是非、多くのIT技術者に資格を取得して欲しい!