「きんかんなまなま」、知ってますか?

「きんかんなまなま」?その意味わかりますか。金沢弁で、雪道が固く凍ってつるつるの状態を言うそうです。昨日の北國新聞、金沢弁についての記事の中に見つけた言葉です。私が金沢で仕事をするようになって18年になりますが、聞いたことありません。意味からは想像がつかない金沢弁の面白い言葉ですね。Facebookにこのことを投稿したところ、数名の方からコメントがきました。「かなりピンポイントな言葉ですからね。正直、親や祖父母が同居していて、朝早く起きないと聞けませんね・・・」「現在はほとんど使っとらんね。だから代表的な金沢弁とはいえんね、今は『道がテッカテッカやわいねぇ』の方かな?」「この間、金沢にいる後輩に聞いたところでは、牡丹餅のご飯をちゃんと潰していないやつは、『半殺し』って言うそうですね。福井も、路面がツルツルも、『つるつる』だし、ツルツルいっぱいも『つるつる』だし、方言はおもしろいですね」


 ここで「きんかんなまなま」という面白い言葉を持つ金沢弁と、隣県の福井弁の特徴について、書いてみます。まずは、私が住んでいる福井県で話される福井弁。「福井弁には北陸方言特有の間投イントネーションがあり、文節の終わりがうねるようなイントネーションになる。福井市・旧武生市などの嶺北地方中心部は、アクセントで語の区別を行わない無アクセント地帯である。無アクセントは、『箸・橋・端』などの同音異義語を全て同じ高低で発音するもので、北陸地方のなかでは異質なアクセントである。文章を音節に区切るとき、福井弁は『の』(発音は「のー」)をつけて話をするのが特徴である。例えば、『今日、私は家で数学の勉強をした』は『今日の、私はの家での数学のの勉強をのしたの』となる」。「特徴的な言葉としては、『のくてえ(=あほ)』や『だんね(=大丈夫)』や『むだかる(=絡まる)』などが話される。「言語学者加藤和夫氏は、北陸3県のなかで福井県が最も共通語化が進んでいるという。福井弁の平板なアクセントは他県の出身者から”訛っている”と指摘されやすく、そのことが方言コンプレックスにつながり、共通語志向の一因になっていると分析している。なお、ここで指摘されている共通語化は語彙(=言葉)の共通語化であり、アクセントは福井弁特有のものが根強く保たれている」。(Wikipediaからの引用をもとに一部修正・追記)

 一方金沢弁はどうでしょうか。「他の北陸の諸方言と同様、近畿方言の影響を受けつつ、雪国の城下町という特性のなかで発達してきた方言である。そのため、文法や語彙には近畿方言と共通するものが少なくない。北陸有数の大都市として繁栄した歴史から、敬語表現や柔らかな表現がよく発達している。一方で、濁音「が」の多用などから、小京都という華やかな街のイメージとのギャップもあって、耳障りな言葉と受け止められることがある。金沢は加賀藩のお膝元だったため、金沢弁は能登国や越中国など加賀藩領だった地域の方言に大なり小なり影響を及ぼした。富山弁(特に呉西地方)の表現の多くが金沢弁と共通するのはそのためである。現在も、金沢市を中心に石川県内の人的交流が活発であること、県内の有力地方紙である北國新聞が熱心に普及活動をしていることなどから、金沢弁は地域共通語として県内のほぼ全域で通用しやすい」。「男性は『や』、女性は『ね』を語尾に付けることが多い。『がいや、がいね』『わいや、わいね』『ぞいや、ぞいね』など」。特徴的な言葉としてよく耳にするのは「『だら(=アホやバカにあたる蔑称)や『がんこな(=意思の固い頑固でなく、とても、とてつもなく、すごくの意味)」。(Wikipediaからの引用をもとに一部修正・追記)

 全国的に方言を話す人が少なくなっている中、地方の方言は大事にしましょう、という意見も多く聞かれます。方言を大事にしましょう、とは地方独特の語彙(=言葉)を日常的に使うことによって、地域住民とのコミュニケーションを円滑にし、深めましょう、そして故郷を愛する心を育みましょう、という理解をしています。しかし若者を中心に、方言としての語彙(=言葉)の共通語化が進んでいるようです。若者の親世代が、徐々に方言の語彙(=言葉)を使う頻度が少なくなってきていることを考えると、当然といえば当然でしょう。一方で、方言の大きな要素であるアクセントやイントネーションは依然として親から子へと受け継がれ、他県の出身者から「訛っている」と指摘されやすく、そのことが方言コンプレックスにつながっています。福井弁がそうです。人と人とがコミュンケーションを取るには言葉は必須です。県外に出てビジネスを行うには、コンプレックスを感じない共通語で話せることが必要でしょう。ブローバルに海外に出てビジネスを展開するには英語が必須になるでしょう。生まれ育った地方で仕事をし、暮らしていくには共通語を話せなくても、方言でも何ら困ることはないでしょう。語彙(=言葉)はアクセントやイントネーションと一体化して発せられるところに、味わい深さが感じられます。これが方言というものなのです。難しい課題かも知れませんが、コンプレックスを感じる要素であるアクセントやイントネーションは共通語化しつつも、地方の歴史や風土、文化が反映された独特の味わい深い語彙(言葉)は伝承していく。方言について、私はこのように思っています。

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コメント: 1
  • #1

    こんにちは (月曜日, 25 8月 2014 01:21)

    潰してあるのは半殺しに対して本殺しって言います(笑)