デジタルネイティブとITリテラシー

京都の紅葉を観ながら、IT(又はIT機器)リテラシーとデジタルネイティブの関係を考えてみました。秋の観光シーズン最後の連休となった11月23日から25日まで、京都へ。今年の紅葉は例年より美しく、色鮮やかでした。美しい紅葉を観ながら、気がついたことがあります。紅葉を観に来た人たちの紅葉を撮るカメラの違いです。年代の違い、突き詰めれば、IT機器のリテラシーの差でしょうか。大雑把に分けると、20代~30代はスマホ。30代~40代は携帯(ガラケー)又はデジカメ。50代以降は、カメラを持っていないか、デジタル一眼レフカメラ。少数派ではありますが、デジタル一眼レフカメラで写真を撮るカメラ女子、そして時代を反映し、iPad(タブレット)派もいました。


 いろいろなカメラで写真を撮る目的も、各年代で様々なのでしょう。若い年代の人は、撮った写真をその場でFNS(特にFacebook)にアップすること。携帯派は、写メールで友達や家族にメールで送ること。デジカメ派は、自宅に帰ってプリンターで出力し、プリントした写真アルバムに貼って楽しむ。そして、デジタル一眼レフカメラ派は、写真を趣味としている方が多く、A4判程度にプリントし、部屋に飾ったり、個展に出典したりする。私の想像ですが、どうでしょうか。ちなみに、デジタルカメラは日本が世界に誇る技術の一つです。世界での市場占有率は70%を超えています。これが今、いろいろなカメラ(スマホ、携帯、タブレット等)に押され、売上が年々減少しています。最後の砦は、カメラ女子や写真を趣味としている中高年の方々が愛するデジタル一眼レフカメラとなっているようです。


 デジタルネイティブという言葉があります。生まれながらにIT(IT機器)に親しんでいる世代をデジタルネイティブと言います。物心ついた頃から携帯電話やホームページ、インターネットによる検索サービスに触れてきた世代を「デジタル・ネイティブ第1世代」、ブログ、SNS、動画共有サイトのようなソーシャル・メディアやクラウドコンピューティングを使いこなし青年期を過ごした世代を「デジタル・ネイティブ第2世代」とも言われています。

 

 京都の孫とその父親がパソコンで遊んでいるゲーム。そのゲームの名前は、「スクラッチScrach」といいます。米国のMITで開発された小学生にも使える教育用のプログラミング言語です。対話しながらストーリーやアニメ、ゲームなどをブロックを積み上げる感覚で自由自在に作ることができるのです。ゲームに飽きた子供にとっては、自分の手でゲームを作ることが出来るので、私の孫曰く「ゲームより、こちらが面白い」ということになります。これを傍で見ていると、「デジタル・ネイティブ第3世代」とは、「スクラッチScrach」に夢中になる私の孫のように、プログラミングができること、を実感します。各世代、IT(IT機器)を上手く活用して生活を楽しんでいるようですが、一方で、IT(IT機器)を使いこなせる者と使いこなせない者の間に生じる、待遇や貧富、機会の格差、デジタルデバイドも確かに存在します。しかし、歳とってもあきらめないことです。デジタル一眼レフカメラを首に下げ、写真を趣味にしている元気な中高年のおじさんのように。そして、日本が誇る電子機器の需要も支えてもらいたい。