クラウド時代、物事はポジティブに考えようよ!

スマートフォーン(以後、スマホ)がすごい勢いで普及しています。先日、スマホの代表的商品であるiPhoneの最新機器が発売されました。ますます進化するスマホ。私は無線ルータでWifi接続するとスマホ代わりになるiPodTouchを買いました。今後メーカーは、従来の携帯電話(ガラケイと呼ばれています)を製造しないでしょうから、折り畳み式の携帯電話が欲しいと思っても買えなくなるでしょう。お年寄りが簡単に安心して使えるスマホも発売されていますから、学生もビジネスマンも主婦もお年寄りも、みんなスマホの時代が確実にやってきます。スマートは賢いという意味ですから、スマホは賢い電話機なのです。何がそんなに賢いのでしょう。賢い使い方の背景には、クラウドサービス(以後、クラウド)と呼ばれるITサービスが存在します。今回は、クラウドのセキュリティ、安全性についての話を書きます。


 前提としてクラウドという概念のおさらいをしておきます。クラウドとは、自前でITを持たないで、ITのサービスだけを利用するひとつの方法です。ただしITのサービスを受けるためにはパソコンやスマホなど(端末と呼びます)の端末は必要になります。私たちが直接目にすることがないインターネットの向こうにあるITの動作環境を、インターネットはよく雲(=クラウド)の形で表わされるので「クラウド」と呼ばれます。そのため、クラウドを利用したITのサービスは、クラウドサービスと言われるようになりました。今私たちは、このクラウドの恩恵を享受して生活をしています。必要な情報を集めるのにインターネットで検索したり、欲しいものを購入するのにネットでショッピングをしたりしますが、これらは全てクラウドサービスを利用しているのです。

 「個人や会社の大事な情報を他人に預けて大丈夫?」このことはクラウドを活用したり、利用したりする場合の大きな課題であり、人によって考えが分かれる課題でもあります。国の独立行政法人IPAが提供しているクラウドの安全に関する資料を一部引用します。「・・・でも、考えてみてください。大事な情報と同じくらい大事なお金は銀行や郵便局に預けていませんか?銀行や郵便局は他人ではないのでしょうか。クラウドサービスでも同じです。クラウドサービスを提供するクラウド事業者(サービスプロバイダと呼ばれる場合もあります)が信頼できるのであれば、問題はないと考えるべきです。大事な情報(資産)は、会社内で管理していてもトラブルに遭う可能性もありますし、自前の IT 環境のセキュリティ対策が不十分であれば情報漏洩や情報消滅の事故が起きる可能性もあります。「餅は餅屋」ということわざもあるように、IT 環境の専門家であるクラウド事業者に任せるのも、安全・安心を維持する一つの方法と言えます。・・・今回の震災に際しての緊急対応の事例では、メールサーバが流されてしまった企業が、SaaS 型メールサービスを利用することで社員間の業務連絡がスムーズにできるようになった事例や、クラウドのサーバを利用して、店舗の被害状況や営業再開の情報をいち早く提供する、といった事例が紹介されています。また、多くの自治体や行政の情報提供が、クラウド事業者が無償提供するミラーサイトでカバーされ、急増するアクセスにもサーバダウンを回避するなど、威力を発揮しました」。


 「ユーザーがコンテンツをアップロードするとGoogleに対して、使用、保存、複製、変更、派生物の作成、送信、出版などを行うための全世界的なライセンスを付与することになる」。これは私がよく利用しているGoogle Driveの利用規約の一部を抜粋したものです。このGoogle Drive利用規約に対し、Googleのセキュリティについてのネガティブなコメントがネット上に流れています。先日Google Appsの使い方の勉強会を東京から講師(株式会社ディアイティ 河野氏)を招き、行いました。そのとき講師の河野さんに冒頭のGoogle Driveの利用規約に対するネガティブな意見に対する見解を聞いてみました。「セキュリティに過剰なコストをかけるより、そのコストのいくらかでもITの有効活用に使ったらどうですか」。返ってきた応えに私は納得しました。物事をネガティブに考える人、ポジティブに考える人、双方必ずいます。もっと物事はポジティブに考えようよ! 私はそう思います。