Excelでデータ分析、勘と閃きの違い

勘と閃き。似ているようで、違います。「俺の勘はあたるよ!」の勘と、「いま閃いたよ!」の閃き、どちらが間違いのない判断ができるのでしょうか。DWH(データウエアハウス)、BIツール、最近ではビッグデータの活用。これらは、日常業務の中で蓄積されたデジタルデータを経営に活用するときに使われるIT用語です。インターネット時代、人はインターネットを使って知らないことを知り、行きたい場所に行き、欲しいモノはお店にいかずに買うことができます。インターネットは、生活に彩を加え、豊かにしてくれます。しかしインターネットの便利さを享受できる反面、私たちがパソコンやスマートホーン等で入力し、インターネット上に残してきたデータは誰かに使われているのです。


 国民の大多数の人が使うインターネット上には、膨大なデータが蓄積されます。日常の行動、振舞いにおいてもデータが収集され、デジタルデータとして蓄積されます。これらのデータはビックデータと呼ばれ、このデータを分析することにより、経営上価値ある情報を得ることができます。ビックデータの事例を二つほど紹介します。一つ目です。人は何らかの目的を持ってホームページを見ます。ホームページのクリック履歴から、その人の行動パターンが解析できて、ほぼ47パターン程度に分類できるそうです。二つ目です。最近の自動販売機、地方ではまだ設置されていませんが、東京駅構内の自販機にはカメラが設置されています。カメラにより、商品を購入した人の性別・年代・職種などの人の属性がわかり、商品というデータと紐付されます。


 アンケートをとることには目的があります。アンケート結果を予め予測(仮説)し、行動を企画することです。今福井県のITコーディネータ仲間と福井県立大学とが連携して共同研究を行っています。共同研究の内容は、県内企業を対象としたIT経営の実態調査(アンケート)を行い、IT経営普及のためにITコーディネータが取るべき行動を企画することです。1、000社を超える企業にアンケートをお願いし、200数十社から回答をいただきました。アンケート結果を共分散解析とExcelのクロス分析、カイ二乗検定を行って、予め予測(仮説)した結果を検証しているところです。


 世の中、人が行動するところ、様々なデータや情報が生成されます。このデータを分析することによって、新たな知見が得られることが多くあります。IT経営のアンケート結果分析においても、経営者の関与が大きい、IT投資に意欲的、人材育成に熱心などの要素と経営的成果(売上、営業利益)とは相関がみられる、という仮説が検証されました。しかし予想もしていなかった新たな知見も得られています。「俺の勘はあたるよ!」の勘は、裏付けや根拠に乏しいが経験知にもとづいて判断されたもの。一方、「いま閃いたよ!」の閃きは、裏付けや根拠のもとづいて判断されたもの。間違いのない判断がどちらかかは明白ですね。データの分析はExcelで簡単にできます。Excelのデータ分析能力スキルを身に付け、勘に頼らない閃きの判断ができるようになりたいものです。